※オキュロリンクタス(眼球舐め)



 何が起きたのか、分からなかった。気がついた時には、あのフードの奥の瞳に捕らわれてた。腕の骨が軋むほどに握られて引き寄せられたかと思うと、ガチャンと後ろのフェンスに押し付けられた。犬歯が、舌が、目前に迫ってきて瞬きすらままならなくて、いや、目を瞑れば食べられる。と、頭の中で警報がなった。草食動物が肉食動物に睨まれたら、本能的に逃げるだろう。俺はそれすら、出来なかった。

「あ…あぁ…ぅあ…」

 足が震えた。馬鹿みたいに母音しか口から出てこない。見開いた瞼をさらに開かされてぬるりとしたものが眼球を舐める。それがなんなのか、律儀にも見開いていた瞳にしっかりと焼きついている。痛いのか痛くないのか、脳が許容量オーバーに悲鳴をあげていてよく分からない。とにかく、左眼を舐められている。ぴちゃりという水音が生々しくも耳から離れない。
 涙が溢れるけれど、涙腺をグリグリと舌の先で刺激されてすぐに舐め取られる。あらぬことか眼球と皮膚の間にまで舌を挿入してくる。食べられてる。頭の中をその言葉だけが支配する。

「も……っと…」

 俺は自分の言葉に驚いて、持田さんを突き飛ばした。つもりだった。けど、自分の足はもう限界でそのまま後ろのフェンスにぶつかってズルズルと地面に尻餅をついた。左眼を覆い持田さんの足元をボンヤリと見つめる。俺は、何て呟いた?

「はっ…ウケるっ…とんだ変態だね、椿くん」

 眼球舐められてんのに興奮するなんてさあ。ねぇ、君もそう思うでしょ?

 身体中の血が一瞬凍りついた気がした。次いで心臓が狂ったように動き出す。身体が震える。耳のそばで心臓が鳴っているみたいだ。うるさい。うるさい。止まれ…止まれ。
 ねえ。君って…だれ。

「ぶはっ…人でも殺しそうな眼してんね…えーと…15番…だっけ?」

 一番。一番会いたくない人。見られたくない人。世の中は、神様は、俺を見放したんだ。両目からぶわりと涙がこぼれた。覆っていた左眼からもちゃんと零れていて、ああなんだ、食べられてない。なんて思った。全部、全部食べてもらったら、ザキさんに…見つけられることもなかったのに。

「首輪でもつけとかなきゃ、すぐどっか行っちゃうよ…」

 じゃあまたね、椿くん。
 持田さんの歌うような声が耳に届いた時には、砂埃を立てて白の外車がスルリと過ぎて行った。暫く自分もザキさんも動かなくて、俺は左眼を押さえたまま地面を見つめていた。ボタボタと地面が濡れるのは、涙だ。

「…椿」

 ジャリ、と、回れ右したザキさんがしゃがむのを眼の端でとらえる。グッと肩を掴まれた。ああ、まだ触れてもらえる。そのことが嬉しかったけど、どうしてもザキさんの顔が見れない。ギュッと瞼を閉じる。

「つばき…首輪…つけねーとわかんねぇ?」
「…くび…わ?」
「俺の全部…やらねーと…他のやつのとこ行っちまうのかよ…」
「ぜん…ぶ?」
「そ、ぜんぶ…」

 甘美な言葉に脳が馬鹿になったんじゃないかと思った。右眼で漸くザキさんを見上げる。目前に迫るのは、犬歯と…舌。
 あ、デジャヴ。
 そんなこと思う間もなく、今度こそ、本当に食べられた。

Eat Me

(120902)
お久しぶりです!壱汰です!
お久しぶりでこれか!って感じですすみません。リハビリを込めての、オキュロリンクタス(*´ω`*)!ザキ→←バキ←持田ですね。ザキバキひっついてません。
眼球舐め好物ですはい。
あ、食べられた=舐められたでお願いします。本当に食べちゃいやよ←
椿くんは赤崎さんに食べられたかったって話…?←
とりあえず、オキュロリンクタスはモチバキが一番似合いますよね。意外にもタツバキも似あうと思います!
ザキバキはなんていうか!違うなって思うんですけどあえてリハビリだし…ザキバキ贔屓サイトだし。
ね!←
赤崎はポドフィリアだと私は思ってます。気になる方は検索検索←
とにかく、なんていうか皆狂気すね。私は甘いザキバキも甘いモチバキも大好きです(・`ω・)キリッ
でもなんていうかヤンデンのとかも大好きですっ(・`ω・)キリリッ
Twitterでフォロワーさんがたもわっほわっほしてくだすったんですが…なんじゃこら見せられんwってなってます。どーしよ。本当、お粗末さまでしたごめんなさい。文才はどこに隠れてんでしょーか。ガサゴソ…

壱汰


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