暑い。茹だるとはこのことか。男ばかりで暑苦しいロッカールームになかなか入ることができない俺と椿は猫のように涼しいところを探しにクラブハウスを彷徨った。
クーラーなんてそんな高価なものつけようものなら永田さんが鬼の形相で走ってくるのでつけられない。よって、日が差し込まないジメリとした奥の廊下に二人して座り込んだ。
「宮ちゃん…暑い」
「ばか…言うなって…」
「じゃあ…寒い…寒…くない」
可愛いことを言い始めた椿はかなり参っているようで仰向けに倒れて服の裾をパタパタとし始めた。俺は壁に凭れて椿を見る。こちら側に足を投げ出しているのでズボンの下が隙間から見える。頭が茹だってる。頭を振って少し上に視線を戻す。
パタパタと風を送っている椿の日に焼けていない汗ばった肌が見え隠れする。チラリとピンクの乳首が見えた瞬間俺は叫んだ。
「だぁああっ!……椿、アイス…食べる?」
ぴょんっと上半身を起こしてキラキラした表情を俺に向けて、食べる!とふにゃりと笑った。
(…やばい…墓穴掘ったかも)
(130421)
きっと大っきいミルクバーでも買ってあげたんじゃないかと