「なにこれ」
「へ?」
風呂上りで肌がほんのり赤く色づいていて、ドキドキしながら言った、今日も可愛いですね大介さん。という言葉は華麗にスルーされて代わりに眉間にちょっとシワを寄せている大介さんと目が合った。怒った?顔も可愛いです。もう言わないけど、怒られるから。
「え、なにって…少女漫画です」
ババーンと効果音なんかつけちゃって大介さんに表紙をこれみよがしに見せ付ける。いま話題の、彼に届けっていう漫画だ。出てくる男の子が大介さんに激似だったりする。ふんわり笑った顔だとかふわふわしたところとか。最初は少女漫画なんて、とか思ってたけど読んでいるうちに見事にハマってしまった。というか、男の子を気に入ったのも事実。だって、大介さんに似てるんだもの。
ニヤニヤしてたからなのか、大介さんは信じられないというような目で一瞬見てタオルで頭を拭きながらベットへと腰掛けた。俺は床に寝転がって読んでいたけど、ベッドへと上がって大介さんの横にピッタリと引っ付いて座ってみた。
「少女漫画…読むの?上田…」
「へ…」
「買ったの?それとも……」
タオルの隙間から覗く大介さんの顔はなんだか色っぽくてドキドキが止まらない。なんて、どこの歌詞。駄目だ。頭が大介さんで一杯で軽くしねる。とか頭の中パニックな俺に追い討ちをかけるように小さな声で大介さんが呟いた。
「女の子…とか…」
ぶわわっと鳥肌が立って顔が火照る。身体中熱い。可愛い可愛い可愛い。嫉妬してくれてる?
「あーもー、なんでンなに可愛いんスか!」
「はっ?」
「これは姉貴のかっぱらってきたんス!」
ここ、ここのとことかキュンってなるんスよ。なんて言いながら顔を大介さんの顔に近づける。大介さんはもうしょうがないなあって呆れたように少しだけ笑って漫画を覗き込んできた。あ、その顔好きだなって思ったら勝手に体が動いていて、キスしてた。
「は…」
「…あ……えへ」
「…えへって………」
大介さんはまた呆れたように、というか愛しいものでも見るように笑って俺の唇を奪っていった。
(ずるい……大好き!)
(121101)
なんていうか。頭の悪そうな話が書きたかったんです。すみません上田出すと九割頭悪い話になる(^O^)/大好きなんですけどね!
マイナーですかそうですか\(^o^)/
彼に届け…なんてひねりの無い。。。言わずもがなあの少女漫画です。可愛いですよねかぜはやっち。
壱汰