今日の理科の授業は小テストです。正直に言おう…受ける気はない!だってさ、元々勉強も嫌いで、テストも嫌いで、その上理科はもっと嫌いな教科だ。暗記するのは国語だけで充分だといつも思う。実際、将来私が理科に関する仕事につく訳がないんだから理科を学ぶ必要性がいまいち分からない。それに、この時間親友の名前のクラスは保体なんだよ?南雲先生だよ?見に行かない訳がないじゃない。また涼野先生に怒られるだろうけど、愛には勝てないのだよ愛には。と言う訳でグラウンドへ、ビデオカメラ片手にレッツラゴゥー!と高いテンションで廊下を駆ける。



トイレを済ませてからグラウンドに向かってる途中にチャイムが鳴っていたけど冒頭で述べた様に理科の授業は受ける気はないので無視して足を進める。


「おお、やってるやってるー」グラウンドに着いて辺りを見渡せば、走り回っている少年少女らが居る。あら親友の名前はゴールキーパーかあ…すげえ。しかも何やら怒っているらしく気迫が凄い。さすがね親友の名前ちゃん!



「お前らもうちょっとまともなシュート打とうぜ?」
「じゃあ、先生打ってみてくれよー」
「おー、良いぜ!」


試合が終わって、南雲先生が男子たちとそんな会話をしている。


「はあ…南雲先生かっこ良すぎ」先程会ったばかりだけど、ほんとかっこ良い。何であんなにかっこ良いのかしら?と思わず頬が緩んでしまう。勿論、ちゃんとビデオカメラで録画してるわよ?


「…名前、何でここに居るの。あんたのクラス今、理科の授業でしょ」
「南雲先生見に来た!」


半ば呆れ半分で聞いてくる親友の名前に、一言そう言えば親友の名前の眉間に吃驚な程に綺麗な皺が入る。これは眉間の皺大会とかに出たら間違いなく優勝ものね。


「アトミックフレア!!」


ドコン!!と大きな、いや爆発音に似た音が鳴る。


「これ打てたら保健体育の評価5なー」
「「打てる訳ねぇー!!」」
「俺がお前達ぐらいの時は、もう今の打ってたぞ?」


なんて会話も溢す事無く、ビデオカメラに録画する。おっと、今のは永久保存だな。「ちょ、南雲先生かっこ良いー!!親友の名前今の見たっ?」余りにもかっこ良すぎて思わず親友の名前の肩を叩く。まあ、こんなの日常茶飯事で。その時、ガンっという音が上から聞こえてきて「このチューリップ!アトミックフレアを打つな!この馬鹿!またゴールを破壊するつもりかこの阿呆!このチューリップ!!」と涼野先生が私のクラスの窓から顔を出してきて怒鳴りだした。チューリップチューリップって…先生いけません!私だってまだチューリップって一度しか言った事ないのに!


「何で名前のクラスに涼野先生居るの?」
「あーうちのクラス今日、少テストなんだよね」


なんて余裕噛まして親友の名前の質問に答えてたら「名字!居ないと思ったらまたサボりか!!」…怒鳴られちゃった。脳内とは裏腹に言葉は条件反射で「やば…」と出る。とりあえず逃げとくか。



今日もかっこ良いですね、先生!


「名字今日も居たのか。…気付かなかったな」

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