「また来たのか」
「もちろん来ましたよ!」


毎時間の休みになると必ずと言って良い程こいつはやってくる。まあ、あまり気にはならない。と言うかもう慣れてしまった。「何でいっつも俺の居場所が分かるんだよ?」「愛の力?」「アホか」こいつはたまに訳の分からん事を言い出してはおどけてみせる。


「あれですよ。先生の行動パターンが変わらないからですよ」


ああ、それは言えてるかも知れない。保体教師の俺にとっちゃ休み時間って他の教師に比べたら、やる事がなくて同じ事しかしてない。トイレに行くか、職員室に居るか、煙草を吸いに行くか。次の時間に保体の授業があっても、特に準備する物は無いから授業が無い時とあまり変わらないな。


「明日になったらパターンが変わってるかも知れねーぞ?」
「そうなったら探しますよ」
「鬼ごっこか」
「あはは、良いですね鬼ごっこ。先生は私に勝てないでしょうね…!」
「保体教師が負ける訳ねーよ」


「えー…」と言うこいつに少し笑ってしまう。こいつが来ると暇じゃなくなるから意外と嬉しかったりする。ま、たまにうざかったりするがな。


「あ、次理科なんで行きますね(まあサボるけど)」
「ん、ああ」
「また会いに来ますから、そんな顔しないでくださいよっ」
「阿呆。寧ろ来んな」


「酷いなあ」と笑って居なくなるあいつがなんだかヒロトみたいでちょっとだけ苛ついた。



好きなんですよ、先生!

(だから、会いに来るんです)

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