今、私はお母さんに頼まれた買い物をしにスーパーに来てる。…だか、私の目の前には今信じがたい姿の涼野先生が居る。「え、私服?」初めて見たな…じゃなくて…なんか…うん、ダサい。薄紫色のなんとも言えない服に絶句する。それより南雲先生は?え、え、居ないの?基山先生なら居るけど。辺りを隈無く見渡して、あの目立つチューリップ頭を探すけどどうやら南雲先生は居ないらしい。なんだ南雲先生居ないのか。私服見たかったのになあ…。溜め息を吐き、下を向いて歩いてたら「痛っ」人にブツかってしまった。


「あ、すみません」
「こっこちこそすみません」


顔を上げれば一番に目に入ったのが、全体的に短くて丸い眉毛。面白い人だわ。眉毛が。


「?あの何か…?」
「いえ面白い眉毛ですね」
「は?」
「…あ、」


「す、すみませんでした!」そう言って逃げ切る。やってしまった!やってしまった!やってしまったああ!初対面の人になに言ってのよ私!馬鹿にも程があるわ…!青くなった顔で近くの本屋に逃げ込み、気持ちを落ち着かせる為に漫画コーナーに立ち寄る。



それから15分くらいが経ち、先程の事など忘れて無我夢中で漫画を読んでいた私のポケットに入ってる携帯が振動し始める。ディスプレイを開けばお母さんからメールが来ていて「早く帰ってきてよ!ご飯支度出来ない!」とお怒りのご様子。仕方なく読みかけの漫画を棚に戻し、店を出る。


「…あ、親友の名前だ」


本屋の道路を挟んで向こう側にCDショップがあり、そこに親友の名前が居た。あと基山先生と涼野先生も。うーん、やっぱり南雲先生は居ないのか…。「ちぇ、」と舌打ちをして親友の名前の邪魔をする訳にはいかないから何も声掛けないで帰路に着く。



私服が見たいです、先生!


(にしても、さっきのあの麻呂眉…。どうやって手入れしてるんだろう?)

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