「休み時間に、涼野先生にレポート出しに行ったら先生は寝てて、南雲先生が起してくれたんだけど、先生が起きた瞬間に私のおでこと先生の頭がぶつかっちゃってさー。その瞬間、職員室に居た先生方に笑われそうになって、死ぬ程恥ずかしかったんだー」
「うん」
「で、手当てするのに涼野先生に手を引かれながら保健室に連れて行かれたんだけど緑川先生が居なくて、結局涼野先生に手当てしてもらったっていうことがあったんだよね」
「親友の名前、私あんたの恥ずかしがる所と、恥ずかしがらない所の境目が分からない」
「そう?」
「うん」


休み時間に、親友の名前の惚気話を聞いてると少し疑問に思う所があったけれども、何だか羨ましく感じてきた。イチャイチャしやがって。あ、そういや私こないだから親友の名前の事羨ましがってばっかりだな。ふっ、the羨ましがりってか。笑えるな私。


「何、1人で笑ってんの?」
「いやちょっとね」
「?」


無機質なチャイムの針が刻一刻とそれが鳴りだす時間を目指してる。あのまま針が止まってしまえばめんどくさい授業にも出なくて済むのにな。そうすれば、南雲先生をずっと見てられるんだけど。まぁ、現実そんなに甘くないか。


「名前のクラス次の授業なに?」
「あー何だっけ?確か理科だった気がしない訳でもないが、この気がハズレてたら私はめちゃくちゃ嬉しい」
「うん、次理科なんだね」
「…はい」
「またサボっちゃ駄目よ?」
「無理」
「今日は絶対にサボらせないぞ」


おや?親友の名前が理科の話なんて持ち出すから涼野先生の声が聞こえるぞ。空耳かな?


「残念だったな、名字。今日は単元テストだから、なにがなんでもサボらす訳にはいかないからな」
「な、何で涼野先生がここに?」


振り向きたくはなかったが振り向かずには居られず、首を後ろに向ければそれはもう素晴らしい程のどや顔の涼野先生が居た。何故どや顔…?


「今言っただろう。貴様を授業に出さすからだ」
「頑張って下さい涼野先生」
「ああ」
「オイコラ親友の名前。どっちの味方だボケ」
「そんなの涼野先生に決まってるじゃない」
「ノォー!酷いよ親友の名前ちゃん!」
「良いから行くぞ名字」


私が抵抗して体に力を入れて踏ん張っていたのにも関わらず、涼野先生はいとも簡単に私の体を引っ張って行く。「いーやーだー!」私の反抗の声は虚しく、暖かい日差しが差す廊下に響いていた。



助けて下さい、先生!


「見守ってないで助けてよ親友の名前!」
「五月蝿い。ちゃんと授業に出なさい」
「親友の名前のケチんぼ!」
「フンッ、何とでも言え」

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