今、俺は名字が告白されている場面を陰から見ている。名字は俺のクラスメイトであり、好きな人だ。
何故、こんな陰から名字の告白されている場面を見ているかと言うと、名字は可愛い方でなかなか男子からモテる。故に、告白される事が多い。名字は男性恐怖症?だかなんだか知らねーけど男子が嫌いで毎日男子を避けている。だから告白されても、そいつと付き合う事は全くないがそれでも心配で名字が呼び出される度に俺はこうして陰から見ている。


「好きです、付き合ってください!」
「無理!それじゃっ」
「えー…」


俺は、そそくさ逃げる名字を見ながら呆然としてる男子を横目に鼻で笑ってやってから名字を追い掛ける。



「ほんと、名字はよくモテるよな」
「ひっ!」
「あはは、ひっ!ってなんだよっ」
「さ、佐久間くん?なにようかな?」


冷や汗を垂らしながら俺からもそそくさ逃げる。そして、いつも通り大体目分量で約5mくらいの距離を俺から取る。あーあ…さっき抱きしめちまえば良かった。


「なあ、」
「う、うん?」
「名字はなんで男が嫌いなの?」
「それは…、」
「?」
「なんか全体的に気持ち悪いし…からかって酷い事するし…嘘吐きだし…なんというか、全部嫌い。いや大嫌いなの」


理不尽な嫌い方だよな。全体的に気持ち悪い奴は生まれた時からそうなんだからしょうがねえじゃん。からかうのだって好きだから故にツンツンしてそういう行為をしてしまう。これも、しょうがねえ事だ。…まあそれは男子だけの事だから女子はその事の理由を知らないんだもんな。


「じゃあ、俺も嫌い?」
「…嫌いじゃないよ。佐久間くんは見た目気持ち悪くないから」
「なら、なんで俺との距離がこんなに遠い訳?」
「他の男共よりは近いよ!」
「いや、そうじゃなくて…」
「?」
「…はあ」


傍に行きてえのに…。この距離どうにかなんねえかな。
いや、それよりもこの理不尽な男嫌いどうにかなんねえかな…。


20110103





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