昔、一度だけ群青に聞いた事がある。「目が見えない世界ってどんな感じ?」と。そしたら群青は「真っ暗で何も無いつまらない世界です」って言っていた。それがどんな世界なのかは目の見える私にとっては全く分からない事で、その後の返事をなんてしたら良いか分からなくて私は口を閉じた。


「何も見えない真っ暗な私の世界をいつも照らしてくれるのはあなたなんですよ」


そう言った群青の顔はとっても優しい顔をしていて心が暖かくなった筈なのに、何故かとてつもない悲しみが襲ってきて涙が溢れてきて次々と零れていく。
本当は何も見えない世界に恐怖している筈なのに、私が居るから大丈夫だと言って綺麗に笑うあなたに何もしてあげられない自分がもどかしくて悔しい。


「群青…ごめんね」





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