(※高校生設定) 午後を少し過ぎた今、私とナッティは学校の屋上でお昼ご飯を食べている。 私は至って普通のお母さんの手作り弁当。隣に座ってるナッティの弁当は1ホールのケーキが2つという凡人には考えられない弁当スタイル。 彼によると、この時間帯が一番糖分不足になるらしいけど実際、彼は年中無休で糖分不足だと思う。 隣でニコニコしながら夢中でケーキを食べてる…いや貪ってるそんなナッティに一つ、注意事項を述べる。 「あのさ、ナッティ知ってた?」 「知らなかった」 「うん、まだ言ってないからね」 「うん」 全て即答で返されたのは、ケーキに夢中過ぎて私の話など右から左に流されてしまっているからに違いない。また、私の話聞いてないんだから…まあいいや。それさえ最早日常化してしまい、慣れっこになってしまった自分が恐ろしい。 「甘いお菓子ばっか食べてたら太っちゃうんだよ」 「大丈夫、オイラ食っても食っても太らない体質だもん」 「いや、そういう問題じゃないんだけど」 「じゃあどういう問題?」 「……」 ああいえばこういう。 つくづく、ナッティはでかい子供だと思わされる。見た目は明らかに高校生だけど、中身はまるっきりの私の嫌いな小学生か幼稚園児だろう。甘いものが好きで馬鹿で幼稚でわがままで……そんで侮れない。 子供というのは不意に奇想天外な事をしだすから常に気を配っとかないと、子供だと侮ったら最後。こちらがやられるハメになる。だからこそ私は子供が嫌い。 「名前はさー、」 「?」 「心配し過ぎなんだよー」 「いや、これが普通なの」 私が溜め息を盛らすと急に、ケーキを食べていた手を止めて顔をずいっと近付けてくる。その瞬間、ナッティ独特の甘い香りがふわりと私の鼻を掠めた。 「オイラは、お菓子と名前が居るから大丈夫」と笑ってから優しい触れるだけのキスを唇にされた。 「そ、れ…大丈夫じゃないから…絶対」 「えー」 ほら、やっぱり侮れない。 あまっあまっあまーーい! 20110104 |