仕事から帰ってきて、ミラと話していたらドドドと何かが走っている音が聞こえてきた。あ、ナツだ…。と思った刹那、もうナツは私の目の前に居ていきなり抱きつてきて「ぎゅううう!」と言い始めた。


「名前!」
「なに「ぎゅううう!」…ナツ?」
「ぎゅうううだ!」
「ぎゅう?」
「そ、ぎゅううう!」


意味が分からないという顔をミラに向ければ、「あらまぁ」なんて言いながら頬を赤く染めて微笑んでいた。いやいや、何故ミラが赤くなる。


「名前好きだー!」
「ちょ、うるさいっ」
「あははっ!名前会いたかった!おかえり!」
「え、あ、た、ただいま」


ナツが一気に喋るもんだから、間抜けな返事をしてしまった。本人はそれを気にするフリもなく、私が仕事に行ってる間のギルドでの話とか抱き締められたまましてくれた。
ほんと、ナツの愛情表現はいつも分かりやすくて、凄く私を安心にしてくれる。


「それでな!」
「ナツ…」
「ん?」
「大好き」


ナツの顔を真っ直ぐ見て言えば、ニカッと笑って「俺の方が大好きだ!」と言ってくれた。


「ちっ…あいつらのバッカプルっぷりほんとうぜえな…」
「奇遇ねグレイ。私もそう思うわ…」
「ぷぷっ、2人共淋しいもんねっ」
「なっ!ハッピーあんたも1人身でしょーが!」


ザ・バカップル
20101023


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -