「あんたが嫌い」


練習の後でこっちは疲れてんのに、呼び止められ何かと思えば冒頭の様に悪態を吐かれた。
生憎だが、マネージャーのこいつにそんな事を言われる覚えはない。


「なんの用だよ?」
「私は不動明王が世界一大っ嫌いなのよ」
「あ゛?」
「気持ち悪いのよ、あんた」


「大嫌い」という言葉に多少傷付いたが、それよりも「気持ち悪い」と罵られたお陰で俺のプライドに火が点いた。


「1週間だ」
「は?」
「1週間でお前を落とす」
「……意味が分かんないだけど」
「1週間で絶対に俺に惚れさせてやるって言ってんだよ」
「そりゃ無理よ。諦めなさい」
「諦めんのはお前の方だぜ?」


名前の胸ぐらを掴み、顔を近付けて吐き捨ててやる。名前の顔が一気に人相悪くなったが気にせず唇を奪ってやれば直後、唇に痛みが走る。
噛み付きやがったな。…ハッ、上等だゴラ。


「1週間後が楽しみだな」


20101008


「#ファンタジー」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -