「喜べ名前!」
「何を?」
「今日の俺はとても機嫌が良い!」
「へえー」
「だからこれやるよ!」


そう言い、手渡された物は雑にラッピングされたクッキー。


「なにこれ」
「クッキー」
「そんなの見りゃ分かるわよ。どうしたのって聞いてるの」
「俺が作った」


一瞬、唖然とした。佐久間がお菓子を作れるなんて思いもしなかったから…。「い、良いから食べろよ!」と急かされ雑にラッピングされたその袋を開ける。クッキーを取り出し一かじり。


「…ぐ!」


かじって何度か噛むうちに口の中がわさびを食べた時みたいにつーんとした感覚が広がる。気のせいだと思い、かじりかけの片割れを口に放り込む。


「ぐ、ぐぎやあああああ!!」
「ぶっあはははっ!!」


放り込んだ瞬間、さっきの比にならないくらいのわさびが口に広がる。ごほっごほっとむせながら、佐久間を睨み付けられば大爆笑をしている。畜生、やられた。


「佐久間ああ!」
「ギャハハハ!引っ掛かりやがった!ぶっ!」
「おまっごほっお前、ふざけんな!」


佐久間の頭をおもいっきり殴る。「いってえええ!」と転がり叫ぶ佐久間を見ながら「ざまあみろ!」と叫んでやった。


「で、なんでクッキーにわさびなんか入れたのよ」
「…ハロウィンの予行練習に名前を実験体にした」
「ジャッジスルー2!」
「ギャアアアアア!!」


20100920


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