(※ネッパー友情出演) 「最近イライラし過ぎだよ?」 こないだヒロトにそう言われた。確かに自分でもイライラし過ぎだと思う。 イライラして物に八つ当たりしてしまうのは前からだけど、最近は常にイライラしてて八つ当たりと言うか理不尽に物に当たっている。 原因は分かってる。あいつだ。 「名前ー!」 「あ、夏彦」 「お前また忘れてたろ」 「何を?」 「はあー…やっぱりな」 「ん?」 「委員会」 「…あ!ごめん!忘れてた!」 先ほどの休み時間にまた名前と夏彦が話していた。端から見たら、そんな普通な会話でさえも聞いてるだけで腹が立つ。夏彦が名前に気があるのかは分からないけど、毎回いや毎日名前の隣に居る。名前の彼氏は俺だっていうのによ。 「チッ…」舌打ちを1つ溢せば、「晴矢、今は授業中だぞ。少しくらい集中したらどうだ」とクラスが違う筈の風介に言われた。 …ああ。今は授業中だったっけ。イライラしてて今の授業が保体で、しかも俺が好きなサッカーをクラス対抗でやっているのをすっかり忘れていた。 「晴矢!パス!」 パスされたボールを胸でキャッチした瞬間に相手チームに居る夏彦の顔が見えた。 「チッ、胸糞悪いんだよ!」 夏彦の顔が見えただけでも俺のイライラを充分に煽った。怒りに身を任せ最早ルールなどお構い無しに相手を薙ぎ倒していく。それで相手が怪我しようが何しようが俺には関係ねえ。 がむしゃらにゴールまで行く俺の前に夏彦が立ちはだかる。名前の「夏彦ー!」と呼ぶ声が聞こえた。 刹那、今までに蹴った事のないただの力任せのアトミックフレアを蹴った。その所為か足に猛烈な痛みが走る。ボールは上手い具合に夏彦には当たらずゴールに向かっていく。俺は地面に叩きつけられた。 ・ ・ ・ 「……ん」 どうやら意識が飛んでいたらしく俺は保健室のベッドに居た。 「…晴矢!大丈夫?」 横を見れば、名前が心配してる様な怒ってる顔で俺を見ている。「ああ、大丈夫だ」と返せば「なに馬鹿な事してんのよ!」と怒られた。続けて目を潤ませながら震えた声で、「…足捻挫だって」と言われる。 「あー大したことねえな」 「あるじゃん」 「ないだろ」 「…サッカー出来ないよ」 「そりゃ当分の間だけなー…」 「気にすんなって」と言いながら髪をくしゃくしゃにしてやる。それで元気が出たのか、「じゃあ夏彦達に晴矢が起きたって言ってくるね!」と出ていってしまった。 んだよ…。彼氏置いて他の男の所に行くとか信じられねえ。 治まっていたイライラがまた動き始める。廊下から名前と夏彦と茂人の声がする。気付いたら体は動き、保健室のドアを荒く開けて名前の腕を無理矢理引っ張る。 「ちょっと!晴矢!」 「あ、おい!晴矢まだ歩いたら…、」 「悪いけど名前は俺のだから二度と近寄んな」 「は?」 そのまま保健室に戻り、俺が寝ていたベッドに名前を組み敷く。 「…ほんと何すんのよ」 「お前が悪い」 「?なにが?」 「……俺より夏彦を、優先すんなよ…馬鹿」 「え、」 我ながら情けない奴だ…。思った事を言っただけなのに顔がどんどん熱くなってきた。「だから仕置きな」そのまま照れ隠しとマジで仕置きの意味を込めて名前の顔、首、胸元、指、手、腕、腹、太もも、脛にいっぱいキスマークを付けてやった。 ・ ・ ・ 「晴矢!」 「んー?っておま、なんだそれ!あははっ!ダセー!」 「あんたの所為でしょ!あんたがい、色んな所に付けるから!」 「あははっ!だからって、マスク付けて手袋履くははっ意味っねーだろ!」 「体はともかく、顔は見えるんだからしょうがないじゃない!」 「つかマスクと手袋取らねーと俺のって分かんないじゃん」 「だ、だから?」 「取れよ」 「やだね!」 「あーそう、じゃ次は絶対に見える所に付けてやっからな」 哀さん、リクエスト有り難うございました!遅くなってすみません。 20100916 |