(※姉弟設定)


「え、ねーちゃん?」


午後の練習中に、何気なく校舎側に目を向けたらねーちゃんが居た。周りをキョロキョロしてる辺りから多分俺を探してる。ヤバい!今まで、ねーちゃんを他のメンバーに見せたくない一心で幼稚園の時以外の試合に一度も呼んだ事なかったのに…。なんで来ちゃったんだよ。
俺が焦ってると神の助けの様に、監督の声が掛かり休憩になった。その瞬間に慌ててねーちゃんの元に走って行く。


「ねーちゃん!」
「あ、虎丸!やっと見付けたー!」
「なっなんで居るの?」
「なんでって、虎丸が他の男に誑かされてないかどうか確認を、」
「そんなの確認しなくて良いから!」
「えー、ダメだよ確認しなきゃ!虎丸は可愛いんだから直ぐ狙われて食われちゃうんだよ…?そんなの私耐えられないわよ!」
「良いから早く帰ってよ!」


頼むから早く帰って!只でさえ、ねーちゃんは可愛いから他のメンバーが見たら絶対惚れちゃうもん!それこそ俺が耐えられない!何としても早く帰らせなきゃ…!


「嫌よ!私は虎丸の全てを守らなきゃいけないという使命が「ないよ!」…虎丸ー…」
「かっ可愛い顔しても無駄っ!」
「ちっ、」


舌打ちしてないで早く!そう思っていたら「おい虎丸」…あーあ、ほら来ちゃったじゃん。


「ハッ!噂をすれば虎丸を食いに来たな!」
「…豪炎寺さん」
「練習を始め……誰だ?」
「えーとっ、」
「初めまして、虎丸の姉の名前です」


ちょっと自己紹介早いってば!いつもチキンで人に話し掛けれない癖に何でこういう時は話し掛けれるんだよ!「あ、豪炎寺修也です」止めてよ豪炎寺さん頬赤らめないで!


「ほ、ほらねーちゃん俺練習あるから帰って!ね?」
「えー!」
「お願い!」
「…待ってちゃダメ?」
「だ、ダメ(そんな可愛い顔しないでよ…!)」
「はあ…じゃあ帰るよ」
「うん。ごめんね?」
「良いよ…じゃあさようなら豪炎寺くん」
「さ、さようなら」


校門に向かって歩いていくねーちゃんの背中を見ながら安堵の溜め息を吐く。
とりあえず、豪炎寺さんがねーちゃんに惚れないかどうかだけが心残りだな…。
ねーちゃんが大好きだから、ついついね過保護になってしまうんだ。
そもそも俺より、ねーちゃんの方が可愛いんだから直ぐに狙われて食われちゃうのはねーちゃんなんだよね…。逆に俺が見張っておかないと!


20100907

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