午後13時26分。午後の授業に出るのが面倒で保健室にサボりに行ったら運良く保健室の先生が休みだった。よっしゃラッキー!と思いながら布団にダイブしたら「痛ってえ!」と声が聞こえたのと同時に人を踏んでる感覚を覚える。 「おい名前…!」 名前を呼ばれたと思ったら殴られる。「痛いな!」と言えば「俺の方が痛てえんだよ!」と大層ご立腹のまさに寝起きの不動くんが居た。あ、モヒカンがへたれてる。 「だって不動くんが居るの知らなかったんだもん」 「布団にダイブする事自体おかしいだろ!」 「普通だよー」 そう言いながらモヒカンを私の櫛で梳かしてあげてから寝癖を直す。意外にも不動くんの髪は柔らかくてすぐに寝癖は直った。 「な、にすんだよ」 「直してあげたの。偉いでしょ?」 「ばーか」 そのまま後ろに倒れてまた眠りにつこうとする不動くんの横に私も倒れて布団に潜り込む。「狭い」と悪態を吐かれたけど無視して後ろから抱き付く。 「あ!ねえ不動くん腕枕してー」 「暑いから嫌だ」 「なら暑くなかったらしてくれる?」 「暑くなくてもしねーよ」 「なによう…けちー…」 「何とでも言え」 「ぶー」 不動くんの背中は温かくて眠気を誘う。 「じゃあさ…膝枕は?」 「誰がするか」 「むぅ…けちけちけちけちけちけちけち」 「うるせえよ!」 ぐいっと体の向きをこちらに変えてきて不動くんと私が向き合う形になる。「ほらよ」と差し出される腕。嬉しくて弛む頬を隠すのも忘れて不動くんの腕に頭を乗せる。 「ありがとう」 「ったく」 「えへへ幸せー」 「ニヤニヤすんなよ気持ち悪い」 「そういう不動くんだって」 「……うるせー。さっさと寝ろ」 次は絶対膝枕してもらわなきゃ!そう胸に誓い、幸せを噛み締めて眠りにつく。 20100905 |