いつも元気過ぎて五月蠅いディランが今日はやけに静か…。先程から一言も喋らずに私の横に居る。何処か怯えてる様にも見えるし…。なんだか不自然過ぎて不気味。


「ねえ…どうしたの?」


余りの静けさに耐えられずに私から話し掛ければこちらをゆっくり振り向き、私をじっと見つめる。その顔はアイガードをしてても分かるくらい落ち込んでいる。もう一度「どうしたの?」と訊ねると少し間を置いてから喋りだす。


「…名前…ミーは……………ミーはジャパンが怖いよ…」
「は?」
「………こないだね…ジャパンのデパートで買った物が…メイドイン チャイナって書いてあって……ジャパンのデパートは嘘つきだ!」


「うわああん!」と声をあげて頭を抱えだすディラン。この子前からお馬鹿だとは思っていたけど…まさかここまでとは…。仕舞には「ミーはもう怖くて1人じゃ買い物なんて出来ないよ…!」とまで言っている。


「あのねディラン」
「?」
「アメリカにもドイツ産の物が売ってる事があるでしょう?」
「うん」
「それと同じよ。だから、日本に中国産の物が売っていてもおかしくないでしょ?」
「ああ!そっかそうだね、名前!」


「うんうん納得!」そう言い、ニカッと笑ってまたいつもの様に五月蠅くなった。「ふふっ全く…馬鹿なんだから」まあ、そんな馬鹿な所が大好きなんだけどね。


20100903


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