(※ギャグ、とっても長い) 先日、鬼道さんから電話があり久しぶりに帝国のみんなに会いたい、との事で鬼道さんが温泉に1泊だけと言って本日、鬼道グループの温泉に招待して頂いた。いつものサッカー部のみんなが居るから何だからお泊まりより合宿みたいだな。あ、枕投げしなきゃ! ・ ・ ・ 楽しい時間はあっという間に過ぎていき、気付けば鴉が鳴き、日が暮れる時間になっていた。「じゃあ風呂入りに行くか」鬼道さんの一言でみんながお風呂に直行。勿論、私も女風呂に行き温泉に浸かった。 ・ ・ ・ 「あー気持ち良かった」 お風呂から上がり、コーヒー牛乳を飲みながらロビーのソファーに座る。まだみんな上がってないのかな?私、一番乗りか!スゲー!なんかスゲー! でも流石に一人で居るのは寂しいな、そう思っていたら源田の声が聞こえた。急いで、男風呂の入り口付近まで足を運ぶ。 …あ、源田居た居た。……でもあれはほんとに源、田?なんか髪長くない?いやでもあんなにTシャツの上からでも分かる素敵な背筋と肩胛骨は源田しか居ないし。うーん。いいや!ものは試し!行け私! 「源田ー」 「ん?ああ、名前どうした?」 「……」 だ、誰?!声は源田なのに顔は全くの別人なんですが! 「名前?」 「す、すすみません!人違いでした!」 「え、」 振り返り、馬鹿な脳ミソで一生懸命考えを張り巡らす。おかしい!おかしいわ!だって源田の頬には刺青みたいなのがあって髪型が超次元なのに、さっきの人は声は確かに源田だったけど顔が違い過ぎる!「あ、名前先輩どうしたんスか?」自分と葛藤していると後ろから可愛い後輩の声がしたので源田がおかしい、と伝える為に振り返る。 「成神!それがね源田、が…」 「何スか。そんなに俺をまじまじ見て。まさか惚れちゃった、とか?」 「それは無いだろう」 「黙ってて下さいっスよ、源田先輩」 「…誰?」 「は?」 「声は成神で麻呂眉なのに、ヘッドホンは付いてないし、髪だってツンツンしてない」 「あははっ!なに可愛い事言って!ははっ!」 「?」 「名前、俺達は風呂上がりだぞ?」 「うん?」 「つまり、風呂入ったから髪が濡れて元通りにのぺたんこ頭になっただけだろ」 「ぺたんこじゃないっス!」 「さらさらだ!」 「さらさらはどうでもいい」 そ、そうか。そうですよね、お風呂入ってたんだもん元通りの髪型になるのは当たり前よ、ね。でもなんかいつもツンツンのバリッバリの髪型を見てるから違和感があり過ぎる。 「そういや佐久間は、」 「ん?」 「変わってないね!」 これで佐久間のキューティクルがいつも通りさらさらじゃなかったら私死ぬところだった。 「だっ抱き付くなっ!」 「佐久間先輩ズルいっス!」 「佐久間、今すぐ名前から離れなさい」 「お前は俺の母親か!」 「…ちょい待ち」 源田の顔で一番おかしな点を指摘するのを忘れていた。 「何だよ?」 「源田のあれって刺青じゃ…な、いの?」 「刺青?」 「源田先輩あれっスよ!あれ!」 ジェスチャーで一生懸命だけど、とてもアバウトに自分の頬を使って源田に説明してくれる成神。すると伝わったのか納得した顔でこちらに話し掛けてくる。 「ああ、ペイントの事か」 「ペっ?!」 「あれは刺青じゃないぞ。両頬に刺青入れたら痛いじゃないか。くすくす」 「血が大量生産されちゃいますね」 「源田終了のお知らせ」 「おい、佐久間それは酷いぞ」 「ペ、ペイント…だと…?」 じゃあ何だ。あれか。私はずっと刺青だと思ってたやつに踊らさせれていたってか。はは。笑える。 「私の純情を返せ」 「いやそれは貰っておくとする」 私が絶望の淵を彷徨っていたら、またも可愛い後輩の声がしたので振り返る。…が、そこに居たのはただの小柄な少年だった。 「どうしたの〜?」 「あ、洞面!」 「どぅ?!き、君は本当にあの可愛い洞面なのかい?」 嘘だろ、おい。言われてみれば確かに洞面だが。頬の刺青が……はっ!まさか洞面まであれがペイントだとか言うんじゃ。 「?何言ってるんですか?僕ですよ?」 「そうか。やっぱり君も頬のそれ。ペイントだったんだね…」 「えっ?」 「そっか…そうなんだ」 「あっあのっ」 困った顔してる洞面が心底可愛いと思ったか、ペイントと言う事実が何とも言えないくらい悲しい。拝啓、お母さん。 今、名前は悲しいです。東京は怖い所です。 「大丈夫だ、洞面。こいつは馬鹿だからほっとけばいい」 「佐久間の中二病。呪ってやる」 「中二病関係ねえよ!大体中二病じゃないって何度言えば分かんだよ!」 「痛いっ!」 「うわー名前先輩を殴るとは良い度胸してますね先輩」 「どうやら佐久間はビーストファングを食らいたいらしいな」 「え、は…、いやいや。さっきのはあれだよ。…愛の鉄拳?」 「正義の鉄拳みたいに言っても無駄っスよ!行け源王!」 「ビーストファングうう!!!」 そう言って、佐久間の顔にビーストファングを食らわす源田。 「やれやれー!私を殴った佐久間なんてもっとやっちゃえ!!」 「後で覚えてろよ名前!」 「え、嫌だ忘れる」 「お前は鶏かあああ!」 「おうおう、お前らそんな所でどうしたんだよ」 そこに辺見と寺門が来た。2人共お風呂上がりでおでこ出してるけど、いつもおでこ出してるから対して変わらない。と言うか全く変わってない。 「うわぁ!デコッパチ組は期待を裏切らないんだね!良かった!名前嬉しい!」 「「デコッ?!」」 「あはははっ!デコ辺見先輩!」 「何で俺だけ?」 「寺門先輩にはお世話になってるっスから」 成神はいつの間にか寺門の隣に場所を移していた。 「そうだなデコ見」 「貴様咲山あああああ!!(鬼道さん風)」 「貴様ごときが鬼道さんの真似してんじゃねえよ、デコ」 「せめて見くらい付けようぜ、佐久間。なんか怒鳴る気も失せたわ」 「そんな………元気出して?」 「名前」 「デコ見っ」 「てめええええ!!」 辺見の振り上げた拳が私に当たっていないのに、ドコッと鈍い音が鳴る。音を出したのは勿論、辺見で辺見を見れば青ざめている。何をそんなに青ざめているのかと思い、振り上げた拳の先を見ればそこには眉毛をこれでもかってくらい吊り上げて頬をひくひくさせている鬼道さんが居た。背後には本物の鬼が見える。やば、めちゃくちゃ怒ってるよ鬼道さん。 「あ、あれ、鬼道さん?」 「辺見、貴様…」 その直後、鬼道さんが皇帝ペンギン1号を使いそうになったのを私達で慌てて制止したものの、何故かその後こっぴどく鬼道さんにみんなが怒られてしまった。私は悪くないのに…。巻き添えくらった。 「でも楽しかったね!」 「そうだな」 「まあ、辺見の所為で鬼道さんに怒られたけどな」 「俺は悪くねえよ!元々は名前が、」 「それ、責任転換って言うんだよデコ見」 「だーかーらーデコ見じゃねえって言ってんだろおおお!!」 題:リッタ これでも辺見大好きです 20100816 |