(※双子設定)


「ねーちゃん、朝だ。起きやがれ」
「…」
「おい、起きろ間抜け」
「…」


駄目だ。ベッドの中で気持ちよさそうに寝ているねーちゃん。
罵ってもピクリともしない。ったく。俺も朝が弱くて低血圧だけど、ねーちゃんの場合は俺よりも酷く朝が弱いし、低血圧で、寝起きがくそ悪い。悪役のトリプルタッグだ。その所為で、いつも起こすのに一苦労するこっちの身にもなって欲しい。


「起きろってば。置いて行くぞ」
「…」


いや、マジで洒落にならない時間になってるって。朝練遅れる。


「ちっ、もう置いて行くからな」


腰掛けてたベッドから立ち上がった刹那。腕を捕まれ、ベッドに引き戻される。


「おい」
「…」
「狸寝入りしてんじゃねぇぞ」
「…バレてた?」
「下手くそだからな」
「ぶー」


はあ…朝練遅刻じゃねえぇかよ。どうしてくれんだ。絶対、佐久間が五月蝿くなるだろ。


「離せよ」
「離したら修二離れちゃうからやだ」


そう言いながら、更に腕の力を込めて離そうとしない。朝っぱらから、何を可愛い事言ってやがる。


「胸当たってる」
「興奮しちゃった?」
「んな事絶対ねーよ」
「ありゃ?」
「どうでも良いけど1時間目には間に合わせるからな」
「何で?」
「保体だから」
「ああサッカーね」
「おう」


髪を触れば、それが心地好いのか目を閉じる。ほんと、俺が弟だからって無防備過ぎだろ。


「…修二…眠い」
「寝たらサイクロンな」
「それ万丈のでじょ。……」
「噛んだな」
「五月蝿い」


あーあ。こんな所も可愛いと思ってしまうのは、ねーちゃんだから何だろうな。成神がやってもくそも可愛いくねえからな。
まあ、たまにはこんな風にねーちゃんとゆっくりするのも悪くないかもな。


20100803


第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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