(※生徒設定)


「風丸先生って何でも知ってるんですよね?」
「ん、ああ。そうだな」
「じゃあ、何でイカって焼いたら紫色になるんですか?」
「……」
「あれ?先生、知らないんですか?」
「そ、それは、」
「風丸先生ー」
「…え、えと」
「あーそっか。やっぱり知らないんですね…」


残念そうなフリして言えば、先生は焦って言葉を濁す。


「いや!知らない訳じゃないなくて…俺の教科分野じゃないって言うか…」
「あー先生それって言い訳って言うんですよー」


今、先生はきっと私への対処に困ってるだろうね。ねぇ、もっと困ってよ先生。頬をボリボリと掻いて、眉を八の字に垂らして一言。


「…俺が知らない事もある」


最後まで知らないと認めたくないらしい。そんな所も可愛いなあ。でもさ先生、私はもっと先生に困って欲しいの。今のじゃ駄目。ずっと私の事で困ってよ。


「それじゃあ、先生」
「まだ何かあるのか?」
「もちろん」
「はあ…」


ああ、また困った顔した。本当に可愛いなあ。…ごめんね先生。私は先生が嫌いでこんな事してる訳じゃないのよ?ただ先生に私の事で困った顔をしてもらいたいだけなの。先生が好きなんだもん。もっともっと先生を私の事でいっぱいにしたいの。
困らせる事を私が言えば、何故あんな事を聞いたのかってその日1日ずっと私の事を考えてくれるでしょ?だから困らすの。それに先生の困った顔が好きなの。


「ねぇ先生、もっと困ってよ?」

「充分困ってます」
「えー嘘だー」
「まったく…名字は何がしたいんだか」
「困らせたいんです」
「はあ…」


20100801


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