(※なんか豪炎寺がおかしい)


「豪炎寺ー」


ありゃ?…寝てるし。んだよ、暇だから構って貰おうと思って来たのにー。


「ねー豪炎寺ーサッカーやろーよー」


規則正しく寝息を立てて恐らく爆睡してる豪炎寺は体を揺らしたって起きやしない。仕舞には寝返りを打ってしまう。


「ちょ豪炎寺ー」


くそう…私をコケにしやがって。あれか、私を焦らす気かこのヤロー。…それはないか。


「サッカーやろうぜっ!」
「…」


駄目だ。円堂さんの真似してみたけどぴくりともしない。もう嫌だこいつ。…そうだ!豪炎寺が起きるまで隣で座って寝顔をまじまじ見てやろう!ついでに写メも撮ろう。きっと豪炎寺にそれを見せたら嫌がるに違いない。うっしっし。


「…あ」


眉間に皺寄ったまま寝てる。そういや豪炎寺って起きてる間も皺寄ってるよね?機嫌が悪い訳じゃないんだろうけど。何も寝てる時まで眉間に皺寄せなくても。私だったら絶対安眠なんて出来ないよ!そういう意味では豪炎寺凄いね!「ん゛ー」「い゛っ?!」おおう。吃驚したじゃないか。寝返りとはいえ私の腰に抱き付くとは。にしても、何とも色気のない声を出してしまった自分が少し笑えてくる。どんだけ吃驚したらそんな声が出るんだか。
(そういえば…)
豪炎寺は寝てるから今、名前を呼んでもバレない…よね?今までずっと本人の目の前で呼んでみたかったこいつの名前を呼んでみよう!だって一応付き合ってるのに恥ずかしくて名前呼べないんだもの!さぁ行くわよ!


「…しゅ、修也」


な、なんだか、くすぐったい気持ちになるなあ。なんて考えてたらみるみる内に恥ずかしくなってきた。あー!もう!早く起きろ馬鹿たれ!


「豪炎寺!や ら な い か」

「良いのか?」
「えっ?ちょ、何でっ?起きてたの?!」


吃驚し過ぎて上手く言葉が発せられない。そんな私を見てか、豪炎寺がくすくすと笑ってる。


「途中から、な」
「途中っていつから?!」
「さぁ?」


そんなあああああああ!!一番初めとかはともかく、名前を呼んだ所なんて絶対聞かれたくない!頼む!聞いてないよねっ?!淡くって頭の中はごちゃごちゃ状態。


「名前もう一回修也って言ってくれないか?」
「こっ断る!」


聞かれてたああああ!!!こんちくょーっ!一番聞かれたくない所を聞いてたのかよっ!あ゛ー恥ずかしい!顔に熱が集中するのが分かるわ、このヤロー!


「つか、早く私の腰から離れろ!」
「だが断る!」


20100726


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