小烏丸の大晦日


「刀剣男士集合写真企画、もの書き」


我は刀剣の父。我からみたら皆も子供同然。
皆大きい子も小さい子も我から見たら可愛く映る。

さて、今宵は大晦日。
父としての役割を果たさなくては行けない時期だ。

「光忠、少しこちらへ」我は光忠をひょいひょいと手招きをしながら呼んだ。
「どうしたんだい?ぱぱちゃん」
こやつは「かっこよく決めたい」その為に何故かかっこよく「ぱぱちゃん」と我を呼んだ。そんな呼び方ももう慣れたが。

「光忠、元旦の料理は任せたぞ」ぽんっと光忠の肩に手を置いた。すると光忠は、その手に自分の手を重ね合わせて
「OK、ぱぱちゃん」…くっ…相変わらずなやつだ。しかし、我が父。それさえも可愛く思う。
頼んだぞ、と言って光忠から離れる。
明日は正月だ。我は全員分のお年玉袋を用意し、みんなに小判を入れる。
一人一人、手書きで手紙を書く。
あるものには「あまり淫らになりすぎるとパパ上は心配だぞ」と書き、
あるものには「ぱっぱは其方だ。私は父上だ。だから安心して来なさい」と書いた。

さて、そろそろ夜も深い闇に包まれた。
そーっとみんなの頭の上にお年玉と手紙をおく。もちろん、刀剣の父だ、全員に。
可愛い寝顔もいれば、ヨダレ垂らして寝てるものもおる。

思わずクスッ笑みを零した。可愛い奴らめ。そして、石切丸。スースーと寝息を立てておる。こやつは何故か我に懐かない。ぱっぱは其方なのに。
我がぱっぱと呼ぶと怒る。髪をすっと撫でると「ん…」と短い寝息を立てた。可愛い奴め。

あ…あれ?なんだか……眠くなってきたぞ。ぱっぱめ。其方の顔を見てるとなんだか眠くなってきたぞ…


−−−−−−−−−−−−−

パシャ!パシャ…!
ん…カメラ…?
「あああーー!!!!」ぱっぱの叫び声が響いた。

「なんじゃなんじゃ…朝からうるさいのお…」むくりと起きて気づく。あ、我はぱっぱの隣で寝てしまっていたのか。

そして更なる事実に気づく。いたずらっ子の鶴丸が驚きだぜ!って言いながらひらりと紙を見せてきた。

よく見ると我とぱっぱが寄り添って向き合って寝ている。特にぱっぱは我にしがみついている。

「やめてくれ!鶴丸!!」ぱっぱは必死に写真とやらの紙を取ろうとしている。

鶴丸はいたずらっ子のような子供の悪い笑みを浮かべ
「こりゃ驚きだぜ!こがぱぱと石切丸が寝てる写真なんてよ!保存保存!」と言ってタタタタっ…と走り去って行った。

「ほう…石切ぱっぱ、いい加減我と和解しよう」にっこりと我は笑みを浮かべ伝えると、石切丸はそっぽを向きながら
「小烏父と呼ぶ」そう伝えてきた。

やれやれ、素直じゃないやつじゃ。
可愛いヤツめ。

END

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