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【三日月宗近】by青空 聖


なぁ、主…。
今度は、間違えないからな。


最初に主と出会ったのは、演練の時だった。

俺は、その時俗に言うブラック本丸という場所に顕現され、酷い扱いを受けていた。
他の者と演練に行った時、ひときわ目に引いたのが今の主だった。

彼女の霊力がとても澄んでいたからだ。

あぁ、彼女の元に行けたら…。
何度そう思った事か。

そして数日だったある日、俺のいたブラック本丸は検挙され、俺以外のものは刀解された。

政府は、俺に行きたい本丸はあるかと言われ見せられた資料の中に、
この女が写っていた為早々に、その本丸に行くと決めた。

そして、彼女の本丸に俺は行き幸せに暮らしている。

しかし、

三「なぜだっ!(ダンッ!」

机を叩いた衝撃で湯のみが落ちたが気にして入られない。

最近、主の外出する回数が増えた。
なぜかと思い、後を付けてみると男と浮気をしているのを目撃した。

三「何故っ!なぜ、俺じゃないんだっ!」

そう、俺は主に二ヶ月前に思いを告げ、付き合いはじめた。
それから一ヶ月、幸せだった。
結納の約束もしていた。

なのに…どうしてっ!

あぁ…、そうだ…。
他の男を見るのなら…、殺して俺だけの物にすればいいんだ。

…何だ、簡単なことを何故忘れていたんだろうか

三「はっはっはっ!アイシテルぞ、主」

もう、俺の瞳には輝きがないだろう。
なにせ、最愛の人物に裏切られたからだ。

さぁて、主待っていろよ…。

そう思いながら、ドロドロとした感情で心を満たしながら審神者部屋に足を運んだ。



審神者部屋に付いた俺は、軽く障子をトントンと叩いた。

『誰?』

部屋の中から、主の声が聞こえドクン…っと心臓が音を立てた。
 
三「主、俺だ」

俺がそう言うと、閉じていた障子が開き音をたてずに開き、主は俺を招き入れた。

部屋に入り俺は、主に後ろから抱きつき押し倒した。

『み、三日月?!』

三「主は、俺だけを見ていてくれると思っていたのだが勘違いだったようだな…」

『なんの事…っ!』
俺は、主の首筋に指を巻き付け首を絞めた。

『三日月ぃ…離し…』

三「離してなるものか、離せばあの男のもとへ行くだろうっ!」

『泣いて…る…の?』

俺は気づくと泣いていた。

三「なんで、なんで俺ではダメなんだ!」

俺はそう言いながら、首を絞める力を強める。

『っく!…三日…月…、押入れ…の中…を…み…て…』

最後に、そう言うと主は事切れた。

あぁ、やっと主は俺のものになってくれた…。
主を見るのは、俺だけでいい…。

そう言いながら、最後に主が言った言葉を思い出した。

三「押入れの中…」

押し入れの中に一体何があるんだ。
俺はそう思いながらも、俺は押し入れを開けた。

三「これは…っ!」
押し入れに入っていたのは、可愛らしく包装された箱と手紙だった。

俺は、震える手で手紙を読みはじめた。



愛しい三日月へ

なんか、手紙にするのって恥ずかしいよね(照)
口には言い難いから手紙で言うけど、誕生日おめでとう。

生まれてきてくれてありがとう。
私の本丸にきてくれてありがとう。
今まで色々あったよね(笑)

これからも、仲良く元気にこの先に一緒にいようね。

誕生日プレゼント、実はお兄ちゃんに相談して悩んで買ったんだ(笑)

愛してるよ、宗近。




三「ぁ…あぁっ!」
手紙を読み終えた俺は涙を流し、優しく包装された箱の中を見た。

その中に入っていたのは、三日月をモチーフにした髪飾りだった。

《あなや…》
《どうしたの?三日月》
《前髪が最近少し邪魔になってなぁ》
《そっか…》

まさか、あの時の会話を主が覚えていたなんて…。
ましてや、その為に選んでくれていたなんて…。

あの時主とともに一緒にいたのは…。
三「主の兄…だった…?」

気付いてしまった。

俺は、大変な過ちを犯してしまった事に。

三「主、すまない…すまないっ!」
俺は、冷たくなった主を抱きしめ謝り続けた。





あれから俺は刀解された……




が、




『三日月ー!』
三「どうしたんだ、主?」


今は主の生まれ変わりのそばで幸せに暮らしている。

主からもらった髪飾りは何故か刀解されたのに消えなかったかと、
不思議に思いながら着けている。



今度は間違えないぞ、主。







シャラン……






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