企画ドリーム | ナノ



【山姥切国広】by青空 聖


嗚呼、国広…愛してるわ。



私の初期刀は、山姥切国広。
彼は、とても自分を卑下しているけど、正直彼の事はとても綺麗だと思った。

彼が来て、段々とこの本丸も賑やかになり今では全ての刀剣男士が揃っている。

今では、私の前では布を取ってくれるようになった。
今日もほら、彼も私の隣で笑ってくれているわ。

『国広、今日の内番はどうだったの?』

山「大変だったが、×××のためだと思うと頑張れた」
 
そう言いながら、国広は優しく微笑んでくれる。

私は、やはり国広を愛している。

薬「大将?誰と話しているんだ?」

国広と話していると、薬研が私を見つけ歩いてきた。

『国広と話しているのよ?ねぇ、国広?』

薬「なぁ、大将」

『なぁに?薬研』

薬「……山姥切の旦那は、この間折れただろ…」

『何言ってるの、薬研?そんなわけ無いじゃない、今だってココに…』
そう言い私は、国広のいた方を見るがそこにあったのは刀身のない刀の鞘に入っている柄だけだった

『国…広…?』

薬「大将、辛いのはわかるだけどな…」

私は、薬研の言葉を聞く前に国広の鞘と柄を持って走った。

薬「大将っ!!」

走って走って走って走って走って走って走って走って。
本丸を出ても走り続けた。


そして、一本だけある大きな銀杏木の下に蹲った。
 
私は、全て思い出した…。

あの日、国広が率いる第一部隊が厚樫山に出陣して、
検非違使に出会ってしまって隊で一番練度の低い乱れをかばって折れたのを…。

『うっ…ううっ…国広ぉ…っ』

私が泣き崩れていると、近くの茂みで物音がして思わず身構えた。
 
?「誰ダ、アンタは?ニンゲンか?」

そこにいたのは、闇堕ちしてしまっている国広だった。

『国広…っ…ううっ…うぁあっ…!』

思わず、彼を思い出すが彼でないことにショックを受け思わず泣き崩れてしまった。

山(闇)「…な、ナンだ?!ドコかイタイのか?」

そう言いながらもオロオロとしながらも、私を心配し近づいてきた。

山(闇)「ソの刀は…」

彼は、私の腕の中にある刀に気がついたようだ。

『私の、大事な大事な初期刀の山姥切国広…』

山(闇)「そノ刀にハ、付喪神の気配ガしないが?」

『先日…折れてしまったわ…』

私はそう言いながらも、涙が止まらなかった。 


山(闇)「アンタの刀ノ俺はシアワセだったんだな」

国広はそう言いながら、優しく私を抱きしめた。

『え…?』
私は急な出来事に対応できずに固まってしまった。

山(闇)「その、オレじゃダメ…か?その刀の代わりは」

『で、でも、その国広は闇堕ちしてるよね…?』

山(闇)「あァ、前にいた本丸から逃げてきた。元の主は優しかっタが、近侍のやつが皆を全て折っていったからな。隙を見て逃げてきたんダ」

『その主さんは…?』

山(闇)「わからない。生きているかさえな」

『そんな…』

山(闇)「オレにはもう、頼るヤツがいない。だから、アンタを頼りたいんだ」

そう言うと国広の瞳は涙で濡れていた。

山(闇)「頑張って、この闇から抜け出す。だから…」

「《アンタを護らせてくれ》」

そういう国広は、私が良く知っている国広と同じ事を言った。

『そんなの、ハイっていう仕方ないじゃん…っ!』


ごめんね、本丸の皆。
私は、みんなと一緒に居るのはもうできないや。

だって、愛しい国広をもう手放したくないから…。

ごめんね、自分勝手な主で。

次の主になる人と、幸せになってね。



それから数年後__

とある本丸にて

男審「おーい!みんな!はがきが届いてるぞ!」


拝啓、元私の刀剣達へ

皆元気?

勝手にいなくなってごめんなさい。
迷惑かけてごめんなさい。
今の主さんはいい人?
幸せ?
私は、幸せだよ。
この世界で最も愛しい人と再会出来たからね。

私からの最後の主命です。
《幸せになってね》
これが最後の主命だよ。

じゃあね、もう二度と会うことがないかもしれない。
さよなら、私の大事な皆。
【裏面には美しい女性とその隣に立つ布が無い山姥切国広の姿が写っている】









Happy End…?

<< >>

back
2


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -