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二人は、しっかりと仕事に出かける準備をして、玄関へ。

「よし、今日も頑張ろう」
「ん!Neun、ファイティン!!」
「ファイティン!」

二人で気合いを入れ、マネージャーが車で待つ宿舎の駐車場へと向かった。



「おっ時間より早いね、おはよう!」

田中が、車のドアを開けながら言う。

「おはようございます」

「きょーも、よろしくお願いします!」

「はい、よろしくお願いします!
 じゃ、ドア閉めるよ〜」

田中はそう言いながら車のドアを閉める。

そして田中も車へ乗り込み、車を走らせた。

「今日は、レコーディングの打ち合わせ
 あとは、CDのデザイン決めです!」

「はい!予定表で見ました^^」

「お!ちゃんと確認したね」

「嫌だなぁ田中さん、当たり前ですよ〜」

ウォニが笑顔で言う。


そんなことをしているうちに、現場へと到着した。


Neunと田中が関係者に挨拶をし、本日の仕事がスタートした。


「二人の詞のイメージのデモ曲作ったけど…
 3バージョンあるんだ。聴いてみて?」

そう言うのは、今回、二人の詞「Rainy tears」の曲付けを依頼した作曲家の眞邊(マナベ)。

「まず、これね」

眞邊が、CDコンポを操作して曲を流す。

2人の書いた切ない失恋の詞に曲がつく。
1曲、2曲、3曲と次々に流れる歌。



聴き終わると、Neunの二人は顔を見合わせ、頷いた。

お互い、二人の詞にどの曲が良いのかわかっているのだろう。

「どう?」

早速、眞邊が感想を求める。

「どれも素敵だと思います」

スジュムがにこやかに言う。

「でも、僕たちは2つ目の曲が良いです」

ウォニが眞邊の目をしっかり見つめて言う。

「そうか…!」

眞邊の表情が柔らかくなった。

「Neunの二人は、ボクの一番の自信作を選んでくれたよ!」

眞邊が田中に笑いかける。

田中は、それに軽く会釈する。


「詞に、とても合っていて好きです!
 僕は、日本語のボキャブラリーがまだ少ないので、上手くは言えませんが…
 切ないけど、力強くて…」

「暗いところに光が差す感じ…!」

スジュムの言葉を、ウォニが繋げる。

眞邊は、二人の感想を頷きながら聞いている。


「失恋して、希望をなくした者。
 だが、完全には希望をなくしてはいない
 …闇に差し込む微かな希望の光…
 弱々しくも力強い光…
 …そんなイメージにしたかったんだろう?」

眞邊は、優しく微笑みながらそう語る。


「…はい…!」

眞邊の言葉に変事をするスジュム。
ウォニも、頷く。


それから、Neunと眞邊、他のスタッフとも話し合い昼までには「Rainy tears」の曲のベースが完成。
S-JumとWoniの担当パートも決定した。
そして、後日のレコーディングも決定。

Neunは眞邊や他のスタッフに挨拶をし、次の現場へと向かう。



「スムーズに決まってよかったよ。
 次は、Rainy tearsのCDジャケットデザインね」

田中は、車に乗り込みながら言う。


「はい!」

「あ、これお弁当だからね。
 移動中に食べちゃって下さい!
 40分くらいで着くからね」

田中は、車のエンジンをかける。


「いただきます」
「いただきます!」

二人は、手を合わせて挨拶した。

そして、やはりスジュムは5分もしない間にたいらげてしまった。

「ご馳走様でした!」

スジュムは、ささっと手早く弁当の空箱を片付ける。そして、携帯電話を取り出した。

日本用の携帯も韓国の携帯も受信Boxを確認すると、メールが何件か来ていた。

日本用の携帯には、結子からのメールが。
早速内容を確認する。


「ウォニ、結子からメール来てた!」

「え〜!ゆーこから!?」

ウォニは、ご飯を頬張りながら訊く。

「うん、今何してるかって。
 結子は大学で友達とご飯だって^^」

スジュムの言葉を聞いて、急いでお弁当をたいらげて片付けるウォニ。

「ごちそーさまでしたっ!」

自分も日本用の携帯を開いてみる。
すると、ウォニにも結子からメールが届いていた。

「スジュムスジュム!
 ゆーこから僕にも届いてた!」

ウォニは嬉しそうにはしゃぐ。

「お〜!良かったなウォニ!」

「ん!
 可愛い猫いたから写真送るねだって^^」
そう言いながら、ウォニは送られてきた画像をスジュムに見せる。

「ウォニが猫を好きって、ちゃんと知ってるんだろうな〜」

スジュムは感心したように頷く。


「そうだ!スジュムスジュム!」

ウォニはスジュムに、もっとこちらへ寄ってとジェスチャーする。

スジュムは、よくわからないままウォニの近くに寄る。

そして、ウォニは携帯のカメラを起動させ自分とスジュムの姿を画面に映し出した。

「スジュム笑って〜?はい、キムチ〜!」

ウォニはそう言うと、撮影ボタンを押した。
ピロリンと、可愛らしいシャッター音が鳴る。

直ぐ様画面を確認すると二人。

「よしっ、これゆーこに送るね^^」

そう言うと、ウォニは結子に返信メールを打ち始めた。



 

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