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…そんな話をするうちに、二人はすっかり打ち解けていた。
運ばれてきたミルクココアとコーヒーを飲みながら、時間も忘れて談笑した。
橋之助は、大学生だということがわかった。
「もうこんな時間かぁ…」
橋之助は時計を見ながら、名残惜しそうに言う。
時刻は既に、5時をまわっていた。
「俺、夕飯の買い物に行かなくちゃ;」
スジュムは、買い出し当番だったことを思い出す。
「あ、メアド交換しようぜ!」
橋之助が、陽気にケータイをかざす。
「メアド…?」
馴れない略語に頭を傾げるスジュム。
「メールアドレス!」
すかさず橋之助が、正式名称を言う。
「あー…ちょっと待って?」
「ん。」
スジュムはすかさず日本用のケータイを取り出す。
「はい、良いよ^^」
「赤外線、わかる?」
「うん^^」
そして二人は赤外線で、プロフィール情報を互いに交換した。
「いつでも連絡してな!」
「ん、橋之助も^^」
お互い席を立つ。
「おうっ! ここは俺の奢りだから!またな!」
「おう^^」
スジュムも橋之助の真似をして、答えて見せた。
それから、スジュムは近くのスーパーで軽く買い物をしてから帰った。
「ウォニ〜ただいま〜^^」
「おかえり〜!遅かったね…」
ウォニが半泣き状態で出迎える。
「ごめん;
友達出来て盛り上がっちゃって^^;
はい、これ」
スジュムは靴を脱ぎながらスーパーのエコバッグをウォニに手渡す。
「えっ!?
本屋行っただけで友達できたの!?;」
「うん^^
今度ウォニにも会いたいって言ってた」
「お〜やったね!
…スジュムがS-Jumだってバレなかった?」
「ん、大丈夫!」
そのとき。
スジュムのケータイのバイブレーションが鳴る。
「あ、橋之助だ!」
ディスプレイを見てテンションが上がるスジュム。
「スジュムが言ってた友達?
何だって?何だって?」
ウォニは、わくわくしながらスジュムに訊ねる。
「ん〜と…
『今日は、たのし、かった、よ。
来週あたり、家に、遊びにこないか?
友達も、連れて、こいよ!』だって^^」
スジュムが日本語のメールをゆっくりと読んでいく。
「行きたいね!
来週は…もくよーびがオフの日だよ!」
すかさずウォニが手帳でCheck。
「わかった!そうメールしとく^^」
『らいしゅうは木曜日にお休みがあるよ^^
はしのすけと予定があうかな?』
スジュムは、なれない漢字も文に入れて返信した。
すると、直ぐに返事が返ってきた。
「あ、橋之助からだ!」
スジュムは、直ぐに受信Boxを開く。
「えっと…
『ちょうど、いいな!
俺も木曜、休みだよ
じゃあ、あの喫茶店、で
また待ち合わせ、しないか?』
だって^^」
ゆっくりとスジュムが本文を読む。
「楽しみだなぁ〜!朝から行くの?」
「訊いてみる^^」
S-Jumは、
『いいよ^^何時にする?』
と、橋之助に返信した。
また直ぐに返事がきた。
すかさずスジュムが読み上げる。
「んと…
『10時くらいからどう?
昼は俺の家で食べようぜ!』
だって。」
「お〜!ご飯一緒っ♪」
ウォニがはしゃぎまわる。
「じゃあ、OKってメールしていい?」
「うん!^^」
ウォニは、満面の笑みで答える。
スジュムは、すぐに橋之助にメールを送り、それからウォニの作った夕飯を二人で食べて、翌日の仕事のために眠りについた。
そして忙しい日々は過ぎ去り、約束の木曜日となった。
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