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二人は、歌いきってダンスの最後のポーズをきめた。

「はぁ…っ…!」
「……ふぅっ……!」

二人の息づかいがマイクを通して、会場に響く。
その瞬間、わっと歓声が上がり拍手が起こった。

「ありがとうございます!」
「ありがと〜!」

二人は、観客に大きく両手を振る。

「こんなに沢山の人が来てくれて…
 凄く嬉しかったです!」

「日本での初ライブは、
 とっても、きんちょしましたよ〜^^;
 でも皆さんの応援で歌いきれました!」

「「ここで!Q&Aコーナー!」」

「S-Jumと」「Woniが…」
「「お客さんのクエスチョンに、
  何でも答えちゃいます!!」」

突然の企画に一瞬観客はどよめくも、すぐに嬉しそうな歓声が上がった。

「じゃ〜あ〜…」
「質問がある人、手を挙げてください!」

S-JumとWoniが交互にMCを進めていく。

会場のほとんどの手が挙がった。

「わ〜…!沢山いますね!」
「そだな…じゃあ3人くらい!」

Woniが右手で3本の指をたてて、かざす。
スタッフが舞台袖から出てきて、二人に1枚の紙を渡す。

「ありがとうございます。
 今、椅子のナンバーの表をもらいました!
 それを見て、決めたいと思います!」

「よ〜し!
 じゃあS-Jumの好きなアルファベットは?」

「う〜ん、S-Jumの『S』で!」

「Sですね〜!
 それにひらめいた2つの数字は?」

「う〜ん…5…1…!」

S-Jumが、自分が言った数字分だけ指を立てて高くかざす。

「じゃあ、『Sー51』の席の人!」

Woniが座席番号を発表すると、すぐにスタッフがマイクを持って指定された座席へ向かう。

マイクを渡されたのは、まだ小学校低学年くらいの女の子。

スタッフが「Neunに何でも質問をどうぞ」と、女の子に囁く。

静まり返った会場に、マイクを通して女の子の声が響く。

「え、えっと…Neunの二人は…恋人はいますか…?」

女の子は、顔を真っ赤にしながら一所懸命喋った。


「質問ありがとね〜!
 じゃあ、答えちゃいますよ〜^^」

Woniが女の子に手を振る。

「僕たちに恋人は…いま…」

「「せん!」」

Neunが答えると、会場に女性の『きゃ〜!』という歓声が上がる。


「マネジメント的に駄目だからとかじゃなくて、これ本当の事ですよ^^;」

S-Jumが苦笑いしながら言う。

「でもファンの皆さんがいるので!
 寂しくないですよ〜!」

Woniは、笑顔で両手を広げる。


「では、次の質問いきましょう!」

「そですね!」


「はいじゃあWoni、アルファベット選んで?」

「じゃ、今日歌った『Remember』の…
 …『R』!!」

「はい、数字は?」

「じゃ、…0…9……!」

「はい、スタッフさん『Rー09』です!
 お願いします!」

スタッフが再び指定された座席へ向かう。


「えっ!俺!?やった!」

今度は20代くらいの男性。

スタッフからマイクを受け取り、話し始める。

「俺…あ、僕、韓国に旅行に行ったとき、街でNeunの歌聴いて、それからファンなんス!」

男性の言葉にNeunが「カムサハムニダ〜!ありがとございます!」と、笑顔で手を振る。

「…あの俺、二人とも楽器が出来るって聞いて…生演奏なんてしてもらえないッスか…?」

男性の言葉に、会場からは歓声が上がる。


「お客さん、それは質問とゆーよりもお願いじゃないですか〜^^;!」

「…駄目ッスか?」

男性が再び、マイクで喋る。

「これは、ちょっとスタッフさんに聞いてみないと…」

S-Jumがそう言うと、再び舞台袖からスタッフと、マネージャー田中までもが登場。

「S-Jumのギターは用意できるけど…
 Woniのピアノはなぁ…;;
 会場の時間は大丈夫ですけど、Neunの予定の方は…?」

スタッフが小声で話す。

「時間的には、大丈夫だよ。
 Woniのピアノはキーボードでも良い?
 キーボードなら直ぐに手配できるけど…」

田中がWoniに訊ねる。

「はい、だいじょぶです!」
「車に、僕のギターが…」

Neunの話し声は、マイクを通してスピーカーから聞こえている為、2人の言葉を聞いたとたん、客席から期待の歓声が上がる。

「大急ぎで持ってきたけど…
 S-Jumのギターこれかい?」

流石、仕事の早いスタッフ達。

直ぐに楽器が揃った。


 

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