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「お父さんにも会わせたいわぁ」

紀子が嬉しげに言う。

「そういえば、橋之助のお父さんは何の仕事をしてるんだ?」

「海上自衛隊に所属してるんだよ」

橋之助が誇らしげに胸を張る。

「あ、ぼー衛軍!?」

「まぁ、うん、そうかな(笑)」

「そういえば、韓国って徴兵制度があるのよね?」

「じゃあ、2人も軍隊に入隊したのか?」

紀子の言葉に興味を持つ橋之助。

「俺は、6ヶ月くらい入隊してたよ」

「6ヶ月だけ?短いんだなぁ」

「父さん死んで俺が家長だったからな。
 一家の家長は入隊期間が短いんだ」

スジュムが儚げに言う。

「…悪いこと訊いたな…ごめん…」

「良いんだよ^^」


「僕は、にゅー隊したかったけど…
 にゅー隊できなかった!」

「え?何で?」

「僕は、気きょーの手術したから!」

「ききょう?」

「気胸だよ。肺が関係した病気」

スジュムが説明する。

「僕は体が弱かったから、色んなびょー気したよ…^^;」

「Woniが体弱かったっていうのは知ってたけど…手術とかもしてたんだね…」

結子が悲しげな声で言う。

「なんで、ゆーこが落ち込むの!
 僕は、もー元気だからだいじょぶだよ!」

ほらねっと、得意気に結子にマッスルポーズを見せるウォニ。

「意外と筋肉あるなウォニ!
 もっとヒョロヒョロかと思ってた(笑)」

橋之助がウォニの上腕二等筋やら腹筋やらを触る。

「くすぐったいよ(笑)」

「DVDで2人が筋肉質なの知ってたけど…
 韓国男子って筋肉質の人多いよね!
 みんな体を鍛えるのが好きなの?」

「う〜ん、大きな理由はみんな大体が軍隊に入るからだろうなぁ」

「あと韓国じゃ筋肉質の男はモテるから!」

「ウォニ…その理由はいただけないな…;」

「でも橋之助だって、それなら筋トレするでしょ?」

「…確かに…(笑)」


そんな話をしていると、食欲をそそる良い匂いが…

「はい、ちょっと早いけど夕飯よ〜!」

紀子が、食卓へと料理の乗った皿を運ぶ。

「いつのまに…!何だかすみません^^;」

「良いのよ〜!大食漢のS-Jum君を生で見たかったしね(笑)」

結子が、ライブDVDのオフショットムービーで何度もそのシーン見てたからと、紀子が笑う。

「あの食べっぷりは見てるこっちも気持ち良いんだもん!」

結子が照れ笑いをする。

「あの短い間にこんなにたくさん…!
 手ぎまいいですね〜!」

「手際、な^^;」

すかさずスジュムがウォニの言葉を訂正する。
それに「あ、そっか」と恥ずかしそうに笑うウォニ。

「さぁ沢山食べてね〜!」

紀子の言葉を合図に、皆手を合わせて「いただきます」と挨拶をして箸をとる。

「Woni君はピーマン食べれないみたいだから、ピーマンは入れなかったのよ〜」

S-Jum君は苦手な食べ物ある?と訊く紀子。

「俺は何でも食べますよ!」

白米を口にひょいひょい運びながら答えるスジュム。


「偉いわね!Woni君もピーマン食べれるようにならなくちゃね」

「はーい^^;」


「来週、また韓国に戻るんですって?」

「え〜!?すぐ戻ってくるよね?」

紀子の言葉に、結子が寂しそうに言う。

「大丈夫、直ぐに日本に来るから^^
 来月いっぱいも日本にいるよ」

「本当に?早く戻ってきてね?」

「うん、わかったよ^^」

2人の会話を聞いていたウォニが口を開く。

「話だけ聞いてると、
 なんだかカップルみたいだよ〜^^;」

「…そうかな^^;」

「ウォニ〜…そういうことを言うと結子がやたら喜ぶから駄目だぞ」

「え、喜ぶって良いことでしょ?」

ウォニは首を傾げる。

「結子は喜びすぎると、はしゃぎまわりすぎて手がつけられない…」

結子がギロリと鋭い眼差しで橋之助を睨み付ける。

あたかも『余計なことは言わないで』と、言いたそうだ。

橋之助は、はははっと流す。


「そうだ!来月いっぱい日本にいるなら休みもあるのよね?」

紀子がスジュムの茶碗におかわりのご飯を盛りながら訊く。

「はい、きっとありますよ^^」

「じゃ、私達の山梨の実家に行かない?」

「実家…って?」

ウォニがまた首を傾げる。

「もともと住んでた家?
 生まれ育った家みたいな…」

結子の説明に、スジュムとウォニは『あ〜!』と頷く。

「お邪魔するの良いんですか?」

「『お邪魔しても』な^^;
 良いなら喜んでお邪魔しますよ?」

嬉しさで日本語がおかしくなったウォニをフォローしながらスジュムが言う。

「もちろん!ここよりずっと田舎だけど、良いところよ」

橋之助と一緒に行くと良いわ、と紀子。

「じゃあ、マネージャーさんにお願いしとかないとね^^」

「そうだな^^
 って…Oh…もうこんな時間か…;」

「まだ何か予定あったのか?」

橋之助が、わざわざ時間を作ってくれた2人に申し訳無さそうに訊く。

「あー、オフの日以外は日本語のレッスンがあるんだよぉ^^」

「へぇ〜、だから日に日に日本語上手くなってんだな〜」

橋之助が感心した様子で言う。


「せっかく会えたのに、ごめん…」

「いいんだよ、こっちが無理言ったんだしよ」


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