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そして二人は、いつものように田中の運転する車で移動。

「田中さん、絶対早く終わらせますから!」
と、ウォニが車内で宣言した。

田中は、頼もしいなと言いながら上機嫌で運転していた。

現場に着いて、早速挨拶を交わし、仕事開始。

ウォニの予告通り、日程はスムーズに進み、午後2時には全てが終了した。

上機嫌な田中は、二人を車に乗せて、直ぐに宿舎に送り届けて帰っていった。



「終わった〜!」

嬉しそうにはしゃぎながら、宿舎の階段を上がっていくウォニ。

二人は部屋に入ると、荷物を置いて橋之助に電話をかけた。

「もしもし?」
『お〜!スジュム!』
「今終わったよ^^」
『じゃ、今からあの喫茶店に迎えに行くな!』

スジュムが、電話を切ると二人は早速出掛ける支度を済ませて家を出た。


「お〜い!」

「あ、はっしのっすけぇ〜!」

ウォニが両手をブンブン降りながら橋之助に駆け寄る。

「ウォニ、仕事終わったばっかだろ?
 なのに元気だなぁ〜(笑)」

「ウォニは、橋之助に会うために凄い頑張ってたから^^」

スジュムも早足で歩いて2人に追いついた。

「そか〜、2人ともありがとな!」

橋之助は、2人の間に入って肩を組む。

「どーいたしまして!」
「はははっ」

笑顔で返事をするウォニと、照れ笑いをするスジュム。

「じゃ行くか!」

そして、3人は橋之助の家へと向かった。



「ただいま〜」

「こんにちは」「お邪魔します」

「いらっしゃい!」

出迎えてくれたのは、1人の女性。


「あ…れ、ゆーこ?
 少しの間に大人になったね…」

ウォニが首を傾げながら言う。

「あっら嫌だぁ!結子じゃないのよ〜」

「俺の母ちゃんだよ…;」

橋之助が、微妙な顔でポツリと言う。

「はじめまして、イ・スジュムです^^」

「は、はじめまして!キム・ウォニです…!」

挨拶をしたスジュムを見て、慌てて自分も挨拶するウォニ。


「それにしても似てるね…」
「俺も吃驚した…」

確かに、結子があと20歳程歳をとればこうなるであろう。

「まぁよく言われるのよ〜?
 結子と似てるって(笑)
 私は橋之助と結子の母親の紀子(ノリコ)よ」

紀子は、さぁ上がってと2人を手招く。


「はい、コーヒーと紅茶どうぞ。
 結子から耳にタコができそうなくらい2人の話はよく聞いてるから〜^^」


「タコ…?」
「オクトパスのタコ?」

「あ〜…たんこぶみたいなやつだよ」

「たんこぶ?」
「まだ覚えてない日本語だな…;」

まだ意味を理解できない二人に橋之助がジェスチャー付きで説明する。

「ほら、どこかに体をぶつけるとプクーっと膨れるだろ?」

「んー…あ、僕よくできてた」

納得するウォニ。
橋之助は、それだよそれ。と満足げに頷く。

「ごめんなさいね、日常会話にあまり使わない単語だものね…」

「大丈夫です、勉強になるので^^」

スジュムが紀子に微笑みかける。

「結子がファンになるのわかるわぁ〜
 素敵すぎるもの…」

紀子がうっとりとスジュムを見つめる。

「なんだか恥ずかしいです…^^;」

「結子は、S-Jum君が特に好きだけど…
 私はWoni君が好みね〜vV」

可愛らしいわ〜と紀子はウォニを見つめる。

「かっこよくはないですか〜…?」

また可愛いと言われたウォニは、好きと言われて嬉しいが、少し複雑な気持ちのようだ。

「かっこいいわよ〜vV
 歌う姿も最高よね〜vV」

「ライブ来てくれたんですか!?」

ウォニは、興奮気味に身をのり出す。

「ライブは行ったけど入れなかったわ…
 日本デビューミニライブに行ったんだけど満員で入れなかったのよ〜…
 だから韓国ライブのDVDを観たのよ〜^^」

「あ〜…なんだかすみません;」

「仕方ないわよ〜でも次のライブは必ずチケット取って見に行くからね!
 私ね、あの曲が好きなのよ!
 ほら、〜〜〜♪って曲!」

「あ〜!“Absolute Miro”ですね!」

2人の会話に花が咲く。


「橋之助、今日は紀子さんに俺達を会わせるために呼んだんだな^^」

「ああ、ごめんな〜;
 母ちゃんが、どうしてもNeunに会いたいって言うからさ…」

橋之助が申し訳なさそうに言う。

「謝ることないよ?
 橋之助の家族に会えるのは嬉しいし」

スジュムは嬉しげにコーヒーをすする。


「スジュムスジュム!
“Absolute Miro”の日本版作ろーね!
 紀子さんのために!」

ウォニは、目を輝かせる。

〜〜〜♪

すると、突然スジュムが“Absolute Miro”を口ずさみはじめた。

スジュムにあわせてウォニも歌い出す。
2人のアカペラの歌声で、美しいハーモニーが生まれた。


2人が歌い終わると、拍手が。

「生の歌声…やっぱり素敵すぎる…///」

「結子!いつの間に帰って来てたんだ?;」

「Absolute Miroのサビくらいから!
 何で来ること教えてくれなかったの!?」

「ごめん、メールすれば良かったね…
 橋之助から聞いてると思ったから…」

「S-Jumは悪くないよ!
 悪いのはお兄ちゃんだから」

「だって結子に言うと五月蝿いから」

「まぁまぁ、二人とも喧嘩しないの!」

紀子の一渇で大人しくなる山下兄妹。
さすが、母は強しである。


「S-Jum君、Woni君、今日は来てくれてありがとうね!」

「なんだ?母ちゃん、改まっちゃって」

「だって仕事が忙しいのに来てくれて…」

「良いんですよ!好きで来てるんだから」

ウォニの言葉に、スジュムも頷く。

「本当にいい子達ねvV」



 

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