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「俺も結子にメールをしよう」

スジュムは、そう言いつつ携帯のカメラを起動させ、予告無しにウォニを撮影。
シャラ〜ンと、また変わったシャッター音が鳴る。


「結子に、結子にメールの返事を書いてる真剣なウォニの写真を送ろう(笑)」

そう言って、スジュムは取れた写真をウォニに見せる。

「かっこいい写真送ってよ〜?
 かわいいじゃなくてかっこいい写真!」

「かっこいいから大丈夫だよ(笑)」

そう言いながら、ウォニの写真を添付したメールを作成するスジュム。


「二人とも〜彼女できたの?」

運転していた田中が話しかけてきた。

「田中さん!違いますよ〜(笑)」
「僕たちの友達です!」

スジュムとウォニが嬉しそうに笑う。


「友達か…友達を作るのはいいけど…
 …わかってるよね?」

「だいじょぶです^^
 ちゃんと、芸のー人の自覚を持て。
 ですよね?」

ウォニが得意気に言う。

「わかってるならOK!」

満足げな田中。



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「ん〜…せっかくメルアド知ってるんだからメール送ろっかな…」

大学の庭で、友人と昼食をとっていた結子は携帯を握り締めながら悩んでいた。

「なに〜結子?好きな人?」

友人の綾が、サンドイッチを食べながら興味津々に訊ねてきた。

「好きな人…って言えばそうかな?
 でも、友達だよ!」

「へ〜じゃ、やっぱ男なんだ?
 イケメン?イケメン?」

綾はイケメンが大好物である。

「そりゃもうイケメンだよ!」

「いいないいな!」

綾はテンションが急上昇。

「しかも外人だよ!」

結子が目を輝かせながら言う。

「外人かぁ…じゃ、私はいいや」

一気にテンションが下がる綾。
綾は日本人が好きなのだ。

「ん〜…そう?」

「メールさぁ、送っちゃえばいいじゃん」

綾はサンドイッチを食べ終わり、今度はおにぎりを頬張り始める。

「ん〜何て?」

「今何してる〜?とかで良いじゃん」

「軽い感じで大丈夫かな…?」

自分が大ファンのNeunにメールを送るとあっては、結子も緊張していた。

「大丈夫大丈夫!
 軽いメールの方が向こうも返信しやすいっしょ」

「そっか…よしっ」

結子は、まずスジュムにメールを打った。

(こんにちは…S-Jum、今…何してる…?私は…友達と…ご飯を…たべてるよ…っと)

結子は頭の中で作った文章を携帯に打ち込んで、送信した。


(Woniには何て送ろうかなぁ〜♪)

結子は携帯のメール作成画面を見ながら、思わず顔がほころぶ。

「結子ぉ…携帯見ながらニヤニヤして…
 変なメール打ってんじゃないよねぇ?」

「違うよ(笑)」
結子は、再び画面に視線を戻し、文を打ち始めた。


(そうだ!朝撮った猫の写メ送ろっ!)

結子は、さっそく朝撮影した猫の写真を添付してメールを作成し、送信した。


「へへ〜返信楽しみだなぁ〜」

結子は携帯を握りしめてまたニヤニヤしている。

「返信くれなかったら〜?」

綾が冷やかす。

「きっとくれるってvV
 優しい人だもん^^」

結子は、半分自分の世界に入り込んでいるようだ。
今の結子には、どんな冷やかしも通用しないだろう。

「あ〜あ〜幸せな事で(笑)」

綾は、今度はメロンパンに手を伸ばす。

「綾…まだ食べんの?」

結子の質問に綾は頷いた。


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「もう着くから降りる準備してね」

田中が運転席から二人に声をかける。

「はーい」
「わかりました」

ウォニとスジュムは、言われたように降りる支度を始める。




「今日はジャケットのデザイン決めだけど、軽く参考用の写真も撮るっていうからよろしくね」

車から降り、建物に向かう途中で、田中が思い出したようにそう言った。

「は〜い」

ウォニが元気に返事をした。




そして、挨拶を交わして話し合いに入った。



「詞のイメージだけでジャケットデザインをいくつか考えて、色違いも作成してみたんですが」

そう言いながら、様々なジャケットデザインが印刷された用紙をNeunの二人の前に出すデザイナーの北見。


「おぉ…」

スジュムが、目を輝かせながらデザイン画を見つめる。

ウォニも、素早くデザイン画に目を走らせている。


「ウォニ、俺は、これとこれが好きだ」

スジュムが小声でウォニに話しかける。

「あ〜…僕はその二つだとこっち
 というより、これが一番に好き」

「うん、じゃあ…
 北見さん、デザインはこれが良いです」

スジュムが北見にそう告げると、北見が自分の鞄をあさりだした。

そして、色違いの同じデザインの用紙を取り出した。

「それだと、こんな感じの配色を考えたのですが…」


直ぐにデザイン画に目を通す二人。

数ある配色のものから、二人が選んだのは青系統の背景のもの。

「わかりました。
 では、軽くお写真いいですか?」「はい」「わかりました」

立ち上がり、並ぶスジュムとウォニ。
北見の隣で待っていたカメラマンが北見の指示で、二人を撮影する。

そして、撮影が終わり挨拶した。


「また後日の撮影時にお会いしましょう」

「はい、またよろしくお願いします」
「お願いします」



北見達と別れた一行は、再び移動車へ。


 

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