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「スジュム、もくよーびだよ!^^」
朝から大はしゃぎのウォニ。
「うん^^」
ウォニは、いそいそと真新しい服に身を包み、土産物を用意している。
「それ、橋之助にあげるの?」
「ん!オモニが送ってくれたキムチ!」
(※オモニ=お母さん)
「喜ぶと良いな^^」
「ん!」
ウォニは嬉しそうに笑う。
「あ、俺も何か用意しなきゃな…;」
スジュムは、慌てて母国から母が送ってくれた荷物を漁る。
「あ!コチュジャンにしよう」
(※コチュジャン=朝鮮半島で好んで使われる調味料)
スジュムは荷物から、コチュジャンを1瓶取り出す。
「良いの?スジュム、コチュジャン無いと生きてけないじゃん」
「大丈夫!」
まだ3つあるから、とウォニに荷物の中身を見せるスジュム。
それを見たウォニは、あ〜、と納得した顔をする。
「そろそろ行こーよ!」
ウォニが荷物を持って玄関に向かう。
「うん^^」
二人は、帽子とサングラスをして出かけた。
そして、あのカフェに入り、それぞれコーヒーとクリームソーダを注文した。
「きんちょーするなぁ^^;」
ウォニが、クリームソーダを飲みながらそわそわしている。
その時、カフェの扉が開いて橋之助が入ってきた。
「あ、あれ橋之助だ!」
スジュムが橋之助に、小さく手を振る。
スジュムに気付いた橋之助は、満面の笑みで大きく手を振りながら近づいてきた。
「久しぶり^^」
「久しぶり〜!」
橋之助は、そう言いながら二人の向かいに座った。
「お、クリームソーダ!
ってことは、君が友達か!」
橋之助が嬉しそうにウォニの顔を見る。
「はい!」
ウォニが元気よく応える。
「俺、山下橋之助、22歳!
よろしくな〜!」
橋之助は、陽気にウォニに握手を求める。
「よろしくっ^^!
僕はキム・ウォニ、22歳!」
ウォニは素直に名乗り、握手する。
「何て呼べば良い?」
「ウォニで良いよ〜^^」
「OK!俺も橋之助って呼んでな!
じゃあ行くか〜!」
橋之助は、にこやかにカフェを出る。
二人も会計を済ませ、橋之助に続いて外に出た。
「俺んち、こっから徒歩15分くらい!」
橋之助は、そう言いながら、“あ、徒歩ってわかる?”と付け足す。
「ん!歩いてって意味でしょ?」
ウォニが言う。
「そうそう!」
他愛ない会話をしながら、3人は橋之助の家に向かって歩いた。
15分後―…
着いたのは15階建の中々立派なマンション。
橋之助の住む部屋は、その3階。
「お〜!」
歓声を上げるウォニ。
「さ〜、入って入って!」
橋之助は、ドアを開ける。
「お邪魔します」
「お邪魔しま〜す^^」
スジュムとウォニは、遠慮なく橋之助の部屋へ上がった。
「どーぞどーぞ!」
橋之助は自分も部屋に入りドアを閉めた。
「一人暮らし?
…に、しては広いか^^;」
スジュムはサングラスや帽子をとり、部屋を見渡しながら言う。
ウォニも、サングラスと帽子をとる。
「家族4人で住んでるよ(笑)
両親と俺と妹。
お前等意外とイケメンだな!(笑)」
橋之助が飲み物の支度をしながら、帽子とサングラスを外した2人を見ながら言う。
「そんなことないよ…^^;
あ、そだ!
僕たちお土産もってきたんだよ^^
ね、スジュム!」
「ああ!」
スジュムは、思い出したように袋を橋之助に差し出す。
「はい、これ^^
コチュジャンっていう韓国の調味料だよ」
「お〜ありがとう!
韓国語で何だっけ、あ!カムサハムニダ〜!」
橋之助は、笑顔で袋を受け取る。
「僕からは…キムチ!はい!」
ウォニも、橋之助に袋を渡す。
「お!カムサハムニダ〜!
妹が、キムチ大好物なんだよ〜!」
嬉しそうに袋を受け取る橋之助。
「「お〜!」」
スジュムとウォニは嬉しそうな声を出す。
「そういえば、今日は橋之助一人?」
スジュムが訊ねる。
「おー。父さんは仕事。母さんパート行ってて、妹も大学生で、授業受けに行ってる!」
「そっか〜^^
会ってみたいね!」
ウォニが言う。
それから3人は、色んな話をして盛り上がり、いつの間にか昼飯時になっていた。
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