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ガシッ
なでしこは、背後から何者かに抱きつかれた
「なでしこ〜!」
「ぼぼぼ坊っちゃん!?///」
抱きついてきたのはシエル
酒に酔っているせいか赤面し、顔がにやけている
「あー!シエルばかりずるいぞ!」
そう言いながら、ソーマもなでしこに抱きついてきた
「あわわわわ!?///」
「僕も〜!」
そして、フィニまでもが抱き着いてきて流石のなでしこも苦しくなった
「み、皆さん……ぐるじ…い…れす……!」
必死に苦しみを訴えるなでしこ
「なでしこが苦しがっている!お前等離れろ!」
シエルがソーマとフィニに言う
「シエルこそ離れろ〜!なでしこは俺のものだぞ!」
ソーマも負けじと言い返す
「そうですよ〜坊っちゃんばっかり良い思いさせませんよ!」
フィニもソーマに便乗
「皆さん…離れ…てくれる…と…嬉しいんですけど……!///」
なでしこは必死に訴えるが、3人は口喧嘩の真っ最中で聞く耳持たず
なでしこは、諦めてはぁっと一つ深いため息をついた
「大丈夫ですか?」「へ?」
なでしこは突然セバスチャンの声が聞こえたため、間の抜けた声が出てしまった
「あ、あれ?」
なでしこはセバスチャンの腕の中にすっぽりと収まり、息苦しさも無くなっていた
「辛そうでしたので、お助けしました」
ニッコリ微笑むセバスチャン
「助けましたって……あの3人からどうやって…;;」
なでしこがそう言いながら振り返ると、未だに3人は争っている
なでしこが救出されたのにも気づいていない様子
「せ、セバスチャンさん…流石です…;;」
「あくまで執事ですから」
セバスチャンは爽やかな笑顔を見せつつ、決まり文句を言う
「あの…そ、そろそろ離して貰っても良いですか?////」
なでしこは、未だセバスチャンの腕の中
「それは聞けないお願いですね」
相変わらずニコニコしながら、さらりと言われてしまった
「せ、セバスチャン殿!なでしこ殿が、い、嫌がってますよ…!離して差し上げて下さい…!」
と、アグニ
「べ、別に嫌がってはないですが…恥ずかしいんで離してほしいです…;;////」
「仕方ありませんね、アグニさんは単に嫉妬しているだけなのは見え見えですが…離して差し上げます」
セバスチャンは名残惜しそうに、そっとなでしこを解放した
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