・現実奇記

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2階。
鈴木はどこだ。急がないと‥。
圭吾「鈴木ー!どこだー!」

(ガターン!!)

遠くから物音が聞こえた。
もしかしたらそこに‥。

圭吾「鈴木!鈴‥」

俺の目の前にいたのは、下半身を失い、血の気が引いて青くなっている鈴木だった。

鈴「よお。遅かったじゃねぇ‥か…」

圭吾「鈴木!お前‥」

鈴「はは‥すまねえな‥」

圭吾「そんな‥そんな…」

鈴「泣くな‥よ。お前に渡す‥ものが…」

鈴木は力ない言葉と共に俺にカードを差し出した。

鈴「これ、は‥カードキーだ…実、験室のな‥パスは…『NEW』‥だ」

圭吾「鈴木!ありがとう‥ありがとな」

鈴「俺は、いいから‥早く…行…」

圭吾「鈴木!鈴木!おい!鈴木ー!!」

鈴木は力尽きてしまった。
重要な手掛かりを残してくれて。
鈴木と牟田の命を無駄にしない。
残った俺達が世界を変えてやる。
絶対に…。



そして祈りを捧げた俺は実験室に向かった。
一刻も早く、この地獄から手掛かりを見つけて逃げ出さなければ…。

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