非・現実奇記
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あれからどの位の月日が経ったのだろう。
デジタル時計の電池も無くなり、確認すらできなくなった。
俺はあの日から圭吾と名乗り、狩人をやっている。
圭吾という名前は、偶然スウェットに書いてあった名前だ。
母親(恐らく)に感謝したい。
嶺川「お帰りなさい」
圭吾「ああ」
嶺川「今日もボロボロね」
圭吾「今日はカマキリに苦戦してね」
嶺川「大変ね」
圭吾「そういえば、高橋来なかったか?」
嶺川「高橋さん?来てないわねえ」
圭吾「そうか‥家の近くにこれがあってね」
圭吾は嶺川に一枚の紙切れを渡した。
嶺川「‥『今までありがとう 僕はお先に行くよ 高橋』
これって‥」
圭吾「高橋の最後の手紙だな」
嶺川「じゃあ高橋さんは‥」
圭吾「品川区で倒れてた。恐らく、身体が保たなかったのだろう‥」
嶺川「そう‥」
圭吾「また、仲間が減ってしまったな」
嶺川「ええ…」
圭吾「…俺、軍事施設に行こうと思う」
嶺川「え!?」
圭吾「この状況を変えたい。このままじゃ俺達はただ衰弱で死んでいくだけだ」
嶺川「でも…」
圭吾「狩人達を集めよう。俺はこのままでいたくない」
嶺川「え、ええ…」
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