非・現実奇記
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男「そうだ‥どこもおかしくなっていない」
嶺川「それに二年以上も外で眠っていたのでしょ?」
男「そうだ‥もしかして俺は‥」
嶺川「‥ちょっと腕を出して」
男「?」
男が腕を差し出すと、嶺川はテーブルにあったナイフで切りつけた。
男「痛っ!」
嶺川「見て」
男「え?‥え!?」
男の腕についた切り傷が素早く元通りになった。
傷跡も見当たらない。
嶺川「これがあなたの変異ね」
男「もしかして俺は‥」
嶺川「不死身ね」
男「そ、そんな」
嶺川「あなたも立派な仲間だったのよ」
男「そうか‥」
嶺川「不死身なら大丈夫ね。あなたも狩人になると良いわ」
男「狩人かあ」
嶺川「簡単よ。昆虫達や動物達を倒して、空腹感がある人達に肉を運んだり、テリトリーを守るのよ」
男「武器はどこにあるんだ?」
嶺川「他の狩人から分けてもらうか、自分で作るしかないわね。
これは噂だけど、かなり離れた地域に軍用兵器があると聞いたわ」
男「軍用‥それの方が心強いが、仕方あるまい」
嶺川「もう少し落ち着いてから準備する?」
男「いや、今からでいい。ゆっくりできる世界でもなさそうだし」
嶺川「そうね。良ければ色々とお手伝いするわよ」
男「ありがとう、必要になったらお願いするよ」
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