1. 「げっ、神谷コウスケ」 「…………」 「?」 バンの後ろにさっと隠れるジンとユウヤ。目の前に急に現れた神谷コウスケという金髪の男は片手を上げ、上機嫌にジンとユウヤに声を掛ける。 「やあ、海道先生のとこの双子君じゃないか」 「知り合い?」 「神谷重工の会長の息子で海道とは遠い親戚らしい。僕は生理的に受け付けないんだよねアイツ」 ジンが青ざめた顔でそういうとユウヤもジンに同じくと頷いた。神谷コウスケは2人からかなり嫌われているようだ。 「ウザイ」 「ウザイってユウヤ、本人の目の前で…」 「平気だよバン君。聞いてないから」 僕は神に選ばれた存在とか僕の美しさは罪とか言いながら、コウスケは一人酔いしれていた。 思わず、バンもひいてしまう。 「ああいう奴なんだ、気にしない方がいい」 「うん」 「ところで、真ん中にいるちっこい奴は誰だい?海道先生の孫の君達とはいかにも吊り合わなそうだけど」 ふんと鼻を鳴らし、見下すようにバンを見るコウスケ。 バンを馬鹿にされ負けずに威嚇するジンとユウヤ。 バンはさてどうするべきかと考えた。 「あのさ、君もLBXやるの?」 「当たり前だ。僕はLBX工学を学ぶために海外へと留学してたんだ」 「そっか、ならバトルしようぜ」 満面の笑みで言うバンにコウスケは顔を真っ赤にし、言葉を詰まらせる。 彼が山野バンという人間に一目惚れした瞬間だった。 (ダディ、運命の人見つけた) |