4. 「ジン、一緒に帰ろ」 帰り支度をしているジンにバンは声を掛けた。 「あ、でも迎えがあるんだっけ」 「大丈夫、なんなら少し寄り道していこうか」 「ジンはどれにする?」 「僕は甘いの苦手だから」 「じゃあこれは…「ひったくりよ!」 ジンとバンは声がした方を振り向く。すると、地べたに膝をついた女性が前方を指差しながら叫ぶ。 「今ひったくりって…」 「なにか盗られたんだろう」 ジンとバンは顔を見合わせて、走り出した。 「待て」 「なっ…」 ジンが飛び出し、ひったくり犯の前に立ちはだかった。 後ろにはバン。まさに挟み撃ち状態。 「さぁ、そのバックを返せ!」 「ちっ」 ひったくり犯はLBXを取り出し、突破口を開こうとする。 「「させるか」」 バンとジンも自分のLBXを取り出し、逃がすまいと阻止した。 街中でLBXを操作するなと小学生でも分かることで怒られたが、一応、お手柄高校生として名を残せたハズだ。 「ちょっとやりすぎたかな」 「見事なブレイクオーバーだったよ」 バンはさっきの余韻が抜けないのか、まだ興奮しているようだ。 「ジン、久々にキタジマに行ってバトルする?」 次の瞬間、バンのお腹が盛大に鳴った。 「…あ、その前に腹ごしらえかな?」 ジンは思わず笑みが零れた。 「バン君、君といると本当に退屈しないね」 |