3.




「バン君浮かない顔してるね」

バン君はなにか言いたげだった。じっとバン君の顔を見つめていれば、彼は意を決したように僕を見た。

「カズはアミが好きかもしれないけど、別に今まで通り四人で一緒にいて遊んだりしてもいいじゃないのか?」

最近更に僕らはあの2人を遠ざけるようになった。だから最近は4人で遊んではいない。

「僕とじゃ嫌かい?」
「ジンといるのは楽しいけど、でも俺、カズやアミと…」
「バン君、それお邪魔虫って言うんだよ」
「俺はそんなつもりじゃ…」

邪魔はするつもりはない。むしろ親友の恋は応援してあげたい。
それがバン君の言い分だった。

「僕が嫌なんだ」
「え」
「せっかくこちらから離れようとしたのに、僕とバン君の間にあの二人は土足で踏み込んでくる、それが気に入らない」

でも好都合だった。カズ君がアミさんをなんとなく意識してるって知ってからは。

「ジン、なにいって…」
「もう面倒だな君は。まだ分からない?僕はバン君だけいればいい、そういうことさ」



それが僕らにとってハッピーエンドなんだよ、バン君。


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