3. 「ジン、久しぶり」 「アミさんも」 「どう?学校は」 「バン君と同じクラスになったよ」 電話の向こう側のジンの口調は楽しそうだ。 「急に連絡が来たと思えば、バンの志望校を教えてほしいっていうからびっくりだったわよ。でもジンなら自力でなんとかなったんじゃない?」 「一応ね、バン君の側にいる人の情報なら確実かと思って」 「で、バンの反応はどうだった?」 「彼は見事に期待を裏切らなかったよ。黙っていてくれてありがとうアミさん」 2人は電話越しでイタズラが成功した子供のように笑った。 「でもジン、無理に高校に行く必要はなかったんじゃない?」 ジンは祖父により既に大学までの教育は終えている。中学に入ったのはプラチナカプセルを持つバンに近付くための祖父の命令。 イノベーターであることがバレた以上、転校を余儀なくされたが。わざわざ通う必要はなかった。 「それに今、海道を立て直してるんでしょ?そんな暇あるの」 「だいぶ落ち着いてきたから大丈夫さ。それに…」 今はバンと過ごせる時間を優先したい。 「これは僕の我が儘だ」 |