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叩かれた頬がヒリヒリと痛む。おかげで俺の白い肌にはくっきりと赤い手形が残っており、誰が見ても叩かれたと分かるほどだ。


「あー最悪なり」


裏庭の一本桜の下、冷たい氷で頬を冷やしながら1人呟く。最悪なのは頬の痛みもそうだが、なかなかに見た目が自分のタイプであったため、彼が男であったことも大分ショックであった。あんな可愛らしい顔をして中身は強気な少年だなんて誰が考えるのだろうか。
ひらりと風に揺らされ落ちる花びらをボンヤリと眺めながら、今日出会った彼の姿を頭に浮かべる。藍色の髪は元からのくせ毛なのかウェーブがかかっており、綺麗に風になびいていた。肌は陶器のように白く、唇は潤いを帯びたピンク色で、桜を愛おしそうに見つめる目が、とても綺麗だった。


はあとため息をついたところで、5時間目の終わりを告げるチャイムが構内に響き渡った。重たい身体を起こし少し土をはたいてから、とりあえず癒しを得るため女の子に相手をしてもらおうと、携帯を取り出し、つい先日電話番号をゲットしたばかりの同級生へ電話をかけた。








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