大地の陽番外編 | ナノ
夢の中だって分かる不思議な空間。
一面が空で、風が無くて、足元には床が無くて‥‥‥空。
ふわふわ浮いた心地がするこの世界を、夢って言うしかないよね。
だって、だってね。
そこにいたのは、若い頃のお父さんとお母さん。
写真で見た事のある、娘の目にも美男美女の二人は
私に向かって笑ってくれた。
‥‥‥もう、こんな風にしか逢えない
大切な、大切な両親。
「お父さん!お母さん!」
姿は私の知る頃の二人じゃなくても、言わずにはいられなかった。
『お父さん、お母さん‥‥‥ありがとう。
私を産んでくれて。
私を育ててくれて。
私を 愛してくれて‥‥‥』
大好きなんだよ。
泣きそうになったら、茜色の髪を揺らしてお母さんが抱きしめてくれた。
深く抱き締めてくれる後ろで、お父さんが優しい顔してくれる。
『ありがとうはこっちのセリフだよ
私達の娘になってくれて、ありがとう
愛しているよ
‥‥‥ゆきちゃん‥‥』
Destiny
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