近寄り難くて苦手だと思ってた幸村くんは、話しやすいかはどうかとして、結構いい人なのかもしれない。私が勝手に警戒して距離を置いているだけであって。
今日の行いを振り返って私が大変失礼な事をしていたなあと
反省。
幸村くんはちょっと天然な女タラシフレンドリーさんなだけなんだそうに違いない
あのお弁当の件もめんどくさいからフレンドリーにひとまとめにしておこう

そう考えてみれば周りの女子にばれない程度に隣の席のよしみとして仲良くできるのかもしれないような
よく考えたら幸村くんはアイドルじゃなくてただの中学三年生、私と同じ存在なのだ
当たり前の事を周りの女子達のせいですっかり忘れていた

勝手に自己完結しながら歩いて帰っていると、やけに騒がしい歓声がテニスコートの方から聞こえた。
あの女子特有の甲高い黄色い声は…テニス部かな
ちらりと遠目から覗くと私の心の中で絶賛噂中の幸村くんが丁度部活動に勤しんでいるでははないか。
テニス部って普段から女子が大量にいるせいかあんまりじっくり見たことないんだよね。
わずかな女子達の隙間を立ち止まって覗き見ていると、幸村くんと丁度目がバチリ、視線が交わってしまった
すぐそらされるかと思った目は、しっかり私を見つめ続けるのでこっちも目をそらせないというか、誰か他の人を見てると信じたいのだけれどもそうでなかったみたいで
小さくゆっくりと口を動かし名字さん、と呟いたあと軽く手を振った。
当然フェンスに群がっていた女子からは悲鳴があがりまもなく幸村くんはアタシに手を振ってくれたのよ合戦が開始されてしまいあまりのうるささに真田くんが出動する自体に。
私、もしかして幸村くんに何かしたのかなあとは思わずにはいられない、そんな一日だった。

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