「はい、今日はみんなお待ちかね席替えの時間です」

そう先生が言った時のクラスの騒ぎようはまるで動物園さながらにやかましかった。
みんなよほど席替えが楽しみだったらしいが私にしてはいい迷惑だ
私は今の最後列窓側の特等席が気に入っているのだから替えられるなんてたまったものじゃない!
ここの席ならこっそり携帯をいじったりお菓子を食べていることもある程度可能なのに

そう考えていてもクジは次々とみんなの手に回っていき、もう私の番が来ていた。

私はくじ箱の中を散々かきまわしてからゆっくり紙を取る。綺麗に四回折り畳まれた紙をそっと開いてみれば31番の文字……黒板をには今座っている席の、左横。
前と同じ席ではないけれどちょっと横にずれるだけでいいのだからこれは嬉しい

くじが終わったようでみんなが机を持って移動しはじめる
私は上機嫌で机を横にずらす。席替え完了だ
そういえば私の座っていた席は誰が座るんだろうか。席を保守したい事だけ考えてたせいですっかり忘れていたのだった
隣はうるさくならない男子がいいなあ
うるさくなくても周りの女子がうるさい幸村くんとかは間違っても一緒になりたくない。今回の席替えも幸村くんがいいなとかこそこそいってる女子がわりといたし
顔はよくて優しいと聞くけども私は何だか近寄り難くて苦手なんだけどな
ただ女子がわちゃわちゃと幸村くん幸村くんと騒いでいたりそれを困ったような笑顔で返す幸村くんを遠くから見るのはすごく楽しい。観賞用みたいな感じなら苦手でも何でもないわけで。
おっと丁度幸村くんが机を動かし始めてる、どこの席に行くんだろうかと見ていると机をきちんと手で持ち地面に引きずらないよう礼儀正しくこちらにやってくるではないか!
お願い来ないで、幸村くんは遠くで見てる方が楽しいから、百歩譲って私の前ぐらいの席でいいから
「隣、名字さんか。よろしくね」

あちゃー
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