またもやゆっくり食べられず気分が底辺にまで落ち込んだものの、次の授業でテンションはどうにかなりそうだった
唯一学校で身体を動かす授業、その名も体育
専用の服に着替えてまでやるのだ、さぞ大層なことをするに違いない
仁王さんにはやる気満々じゃのうといつもの顔で笑われた

先生によると今日は先週の続きでテニス、をやるらしい
ラケットというものを渡され、当然のように行われはじめた試合だが、わたしはルールがさっぱり分からなかった。
最初は訳の分からない踊りを強要されるし現時点で体育とやらが面白いとは毛先程も感じられないのは、仕方がないだろう。
まだ他の人が試合をしていたのでとりあえず観察してみれば、
丸い球を打ち合っていて、どちらか一方が打ち返せなくなったらアウト。そんな感じだった
他の子にもっと詳しくルールを聞こうとしたが、試合をしていない女子達は皆、男子の方のテニスに釘付けといった様子。
男子の方には見覚えのある銀髪がいて、すぐに仁王さんだと分かった。もう一方にはこれまた目立つ赤い髪の男子がいて、おもわず昨日食べたリンゴが連想されてしまい、お腹が切なく鳴ってしまう事態。
お腹をすかせひもじい思いをしてる間にどうやらわたしの番がきたようで、退屈で仕方のなかったわたしは急いで緑色の芝へと入っていった


結果としていえば、わたしは試合に勝った、というか、中止になったというか。
打ち返すだけでよいと思っていたのだが、白い線を越えてはいけないらしい。
馬鹿正直に打った球は学校外に出て行き、少し手加減してうてばなぜか真っ直ぐとんで柵にぶつかり…相手の子にも何度かあたりそうになってついには泣き出してしまった。少し申し訳ないとは思う

「見てたぜよ、ミョウジ。すごかったのう大ホームランじゃ」
「…それ、多分褒めてもらってないっすよね」
「プリッ」

もっとうまくなれば、楽しいと思えるようになるだろうか

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -