戦闘に代わるような運動がないかと考えていると授業終了のチャイムが鳴ったのでわたしは立ち上がる。売店にいかねば 寝ている仁王さんを後目にダッシュで教室を後にする。 ダカダカと豪快な足音がなるもののゆっくりしている暇はない。はやく行かないと売り切れるらしいのだから まあわたしのこの鍛え上げられた脚力ならばもうちょっとスピードを出すくらい正直余裕で―― 「転校生のミョウジ!」 「はいっ!!」 突然大声で名前を呼ばれるものだからわたしはびっくりして動きを止めてしまう。誰だわたしの歩みを止めるやつは! 振り向けばがわたしの前には厳格そうな人の姿が怒りを滲ませわたしの前に立ちはだかっていた。…どこかで見覚えがあるような 「ミョウジ、廊下で走るのは禁止だ」 「え…あ、そうなんすか、教えてくれてありがとうございます」 わたしはお礼を言い、早歩きで売店へ行こうとすると待て、と制止の声をかけられる。まだ何か用があるらしい。 「なんだその服装は、ちゃんと制服を着こなさんか!」 だらしない、と怒られるがわたしは急ぎたい気持ちでいっぱいいっぱいだったので今度直しますと宣言しながら売店に向かう。この格好は動きやすいから正直今正したくないというのもあった 後ろから走るなとかなんとか聞こえるけどそれも今度にしますと叫んで全力で走る わたしには時間がない。 *** 急いだ結果、間に合うには間に合った。しかし一個しか日替わりパンを買うことができなかったので非常に悲しい。こんなんじゃ足りない、あそこで足止めさえされなければわたしはもうちょっとパンを買うことができたというのに! どこにも発散できない怒りを胸の内に溜めていればふと思いだす。足止めされた時、なぜかあの先生みたいな人がわたしの名前を知っていたのは何故だろうか。売店はいるときにもミョウジだ!とかいう声がちらほら聞こえてた気がする もしかしてわたしの個人情報が流出しているのかと考えたが、わたしの個人情報は流出する程ない。少し不思議に思いつつわたしはまたあの場所にまで足を運んでいた。 前に凶暴な女の子がいたところである あそこのお食事スポットはどうしても外せないのだ、また遭遇するリスクを背負ってわたしは静かな所を求めるのだった |