この世界に来てから食事には満足している。正直向こうの世界より品質が高く、安いものがおおいわけだし
しかし、問題が一つだけあった
戦闘に代わるようなものが何もない。
一応毎日筋トレ等は欠かさずやっているわけだが、それでは駄目なのだ。スリルとか、緊張感とか、刺激的なものがどこにもない。日々命がけだったあの世界に比べてこっちは平和すぎる、物足りない。わたしより小さくか弱い動物は害を与えることもなく、かといって害ある人はそうそういない。いたとしてもきっと普通の人なら一発KOも確実だろう
あの頃戦闘はストレス発散のつもりだったが、どこかおもしろいと思ってやっていた節もある
強い人と拳を交えたときは興奮さえ覚えた。その興奮をもう一度味わいたいと思った

とりあえず人と殴り合える競技を探したところボクシングというものがあったので、ためしに仁王さんにボクシング部があるかどうか聞けば、無いとのこと。ううむ。
「お前さんボクシングは知ってるんじゃな」
「ちょっと調べまして」
「ほお、ミョウジは見るの好きなん?」
「見るよりやる方がいいっす」
わたしが言って仁王さんが笑い出すのにそう時間はかからなかった。仁王さんとはよく話すようになったものの、毎回どこかしら笑われるようになってしまった
わたしとしては笑いを狙ってるつもりはないのだけれども。
「わたしがボクシングしたらまずいっすかね」
「まあな。ミョウジにはちと無理な気がするのう」
悪いことは言わんから新体操あたりでもやっときんしゃいとたしなめられたが、わたしは納得いかなかった
この日々の食事ではとれないやるせなさをどうしたらいいというのだ。というか
「そもそもシンタイソウってなんすか!」
「そこから始まるんか」

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