ジュギョウがすべて終わり、放課後とやらになった。ジュギョウは面白いと思う話などにムラがあって、退屈なときは死ぬほど眠くなるのだとわかった。ついでに、話を聞く際ノートというものをとらないといけないし、キョウカショも読まないといけない、意外と大変だった これなら何も考えないで魔物を倒している方が楽である やっと売店で買えたパンを頬張りながら、わたしは仁王さんの後をついて行ってた。おいしい。 学校にも色んな施設があるようで、食べる所ばかりでなくこの学校で偉い人が居る校長室、運動できる場所、簡易的にだが治療してくれる保健室というものがあるのだとか 保健室での治療は無料なんすか、と聞けば当たり前じゃろと返ってきた。一瞬怪訝な目で見られるオマケ付きで この世界で自分の設定はしっかりしとかなければいよいよ世間知らずのただのアホになると思ったわたしは対策を考えるべく、案内される中多々疑問が出ても黙っておくことにしたのだった 仁王さんも仁王さんで最初はしっかり説明していたものの、途中から面倒になったのか義務的になっていたので、おそらく面倒になったのか疲れたか、あるいはその両方か。たまにくる質問でさえ秘密でかえすせいでわたしと仁王さんの間には沈黙ができていた そんな無言の中で仁王さんが口を開く 「なあミョウジさん、俺もう秘密って答えには飽きたぜよ」 「そっすか」 「絶対運動か何かしとったじゃろ。これぐらいは教えてもらってもいいんじゃなか?」 じっと見つめられ、わたしは押し黙る。 運動ならしていた。あの世界を生き抜くためには強さが全てだったのだからただひたすらそれだけを磨いていた 結果わたしは格闘家というジョブをもらい世界中を回ってたことあってたんですよーなんて戯れ言、この先誰にも言えないだろう ただわたしも秘密と答えるのには飽きたし、普通にコミュニケーションを図りたいものだ 糖分が行き渡った頭で必死に考えた結果、当たり障りのない運動をしていたという答えを返す事に決めた。意を決して仁王さんにさっきの答えを返そうとした、が。 「見つけたぞ仁王!」 「げ、真田」 「お前はまたサボるつもりだろうが、今日という今日は許さんぞ」 「違うぜよ。俺は案内を…」 「言い訳はいいからさっさと来い!」 あれよあれよと言う間に仁王さんは怒声と共に去っていってしまった。振り絞って出したちっぽけな勇気は結局無駄になったわけだが。 その場にポツンと取り残されたわたしは先ほどもらった飴をまた食べ始めるのだった |