想いのまま生きているふたりの間には、真実しか生まれない

力加減という心地良い甘さはなくとも、抵抗する程の不快な苦さもなし

優しく抱きしめて、眉尻を下げながらお願いしても、やはりそれは無意味な懇願

キミはそのしなやかな二本の腕を存分に使い、熱い胸の奥へボクを閉じ込めるように

キツくキツく、抱きしめなければ不安に押し潰されるというけれど

全然、大丈夫、なのに

ボクはキミと瞳と瞳が繋がった瞬間から金縛り、身体は赤い糸に雁字搦め

どこにも逃げられず、キミに心が囚われたまま


「もし、ボクから一度でも心が離れたら……ひとおもいにテツヤを殺すから」


キミに殺されるならば、本望ですね

そう口にしてしまったら、キミは本当に僕の心臓を優しく貫いてくれそうですから、


「それじゃあ……ずっとずっと、ボクはキミと生きていけるんですね……なんて幸せなことでしょう」


わらう、いつもふたりで夢に見た、あたたかな未来を想起させる、素敵な音色を選んで、笑うのです

そうすると、キミは先程より激しく強くボクを赤い籠の中へ押し込める

心臓が破裂しそう、とっても痛いけれど、涙が出る程嬉しい

世界に溶け込み過ぎて、存在意識がボヤけてしまった、透明な黒子テツヤ

赤司君から与えられる容赦ない絞殺感覚は、そんな僕へハッキリと生を実感させてくれる

キミがいないと、死んでいるのか生きているのか、死にたいのか生きたいのか、わからなくなる

だからこそ、微かに震えながらボクの温度を求める、その臆病な手が必要なんです

きっと、赤司君もボクなしでは、生きられない

生命線のような愛を失い、心がボロボロになってしまう事実は、彼の全てから伝わってくる

不思議だ、どうしてこんなに僕らは求め合ってしまうのか

ひとつの馬鹿げた疑念、神様の手でお互いの心臓に対極の磁石が備え付けられているのでは、と

いつでもどこでもなにがあっても、定められたように引かれ合う、ボクらふたりの謎を、


「……当たり前だろ。だってボク達は、最初から繋がっていたんだ……いのちの運命が」


美しく解き明かした、真っ赤な真実だけを伝達する、キミのくちびる

あぁ、なるほど、そうだったんですね

ボクとキミの瞳が繋がるよりも、ずっとずっと先に繋がっていた赤い糸

ふたりのいのちを繋げる臍帯、ふたりの運命を導いてくれる道標


「ボクはオマエしか愛せない」

あの日、あの場所で、出逢えて、見つけた・見つけられた、一生涯の宝物

「ボクはキミしか愛せない」


お互いの心へ一直線、まっすぐでまっさらな愛を繋げて結んで、生と死を共にしていくのですね


“アナタが生まれてきてくれて良かった”


赤司征十郎と黒子テツヤ、赤と黒の神様のこどもたち




この世に生まれた意味

愛する人と愛すること



2014.1.10 赤黒ちゃん真ん中バースデー











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