俺の所属する名門バスケ部の主将である赤司征十郎は孤高の存在だ。完璧人間で勝利に貪欲な彼の雰囲気はとても近寄りがたい。正直に言ってしまえば、超絶絡み辛い。彼に絡めるのは中学バスケ界の至宝ともいえるキセキの世代メンバーくらいだ。俺はしがない平部員なので彼とはほぼ無関係な間柄だけれど。それにしても、赤司征十郎のぼっち率は半端ない。ふとした時にひとりでいらっしゃる、ぼっち野郎でいらっしゃる。神に近い存在は下々の者達に畏怖を向けられ、自然と心の距離が遠退いてしまうのだろう。友達がひとりもいないなんて、ひどく憐れみを感じてしまう。あっ、ほら今日も通常運転でぼっち飯だよ赤司さま。彼が手にしている豪華な重箱弁当も、その居た堪れない孤独感に拍車をかけている。うーん、なんとも痛ましい。ここは、勇気を出して少しだけ声をかけるべきか……ん?あれ?えええ?!?! ちがう、赤司さまはぼっちじゃない……友達はいなくても……、

「はい、赤司くん……あ〜ん……」
「あ〜ん……ん、美味しい。テツヤのおかげで百倍増しで美味しい」
「もうっ! 言い過ぎですよ、赤司くんったら」
「ふふっ、可愛い恋人の愛情が最高の調味料だからね」


透明人間の恋人様がいらっしゃいました




神に寄り添う影法師











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