*【トマトケチャップ・メランコリー】の続編です。ただし、また続編があるかは……空回り赤司くんの頑張り次第…?












いつもの学校。いつもの昼休み。購買へ昼食を買いに行こうと教室から出て、廊下を歩き始めた途端……隣のクラスのとある人物が急にドンっと立ちはだかってきました。僕を待ち構えている朝の恒例行事と合わせて本日2回目の通せんぼへ大っきく溜め息。どうして彼は、こんなにも僕へ突っかかるのだろうか。その理由は、全く分からない。彼に対して刃向かった事もなければぞんざいに扱った事もない。地味に透明に影として当たり障りなく生きているだけなんですけど、僕何かしましたっけ??そんな疑問だらけの僕の心なんてお構いなし、彼は綺麗な弧を描いていた唇をうっすらと開く。そうして自信たっぷりに口にした言葉「テツヤ……僕と一緒にランチを食べたくてワザと僕の教室の前を通ったんだろう?…ふふふ、素直になってくれて、嬉しいよ」いや、違いますけど。全くもって誤解です。購買への最短のルートだからです。ただの通り道だからここを通っただけです。「仕方ないから誘われてやっても…いいよ?ありがたく僕のそばにおいで?何なら一生隣にいても構わないよ…テツヤなら」あの、ありがた迷惑ですよ。何故に彼はこういう突飛な解釈が出来るのだろうか。頭が良過ぎて馬鹿なのか。こちらを高圧的に見下ろす赤の王様の意図が露ほどにも分からず首を傾げるも、…ぐぅぅぅぅ〜きゅる〜〜……そんな僕は空腹が限界に近付いた為、彼の意味不明発言をスルーするに至りクルリと背を向けて遠回りのルートを選ぶ事にしました。面倒ごとは本当に面倒ですから、無視に限ります。後ろから、「えっ…?て、テツヤ……まさか、僕を、シカト…??へっ…ええっ!?」と予想外だったのかその肩書きに見合わぬ彼のテンパり具合など我関せず、スタスタと歩き出せば、「……ま…待てっ!…待ってェッ!!僕を無視しないで!地味にキツいよ!くっ…ここは最終兵器しか……テツヤッ!オマエの好きな極・バニラシェイクをあげるから…お願いだから僕を置いて行くな!!悲しくて吐きそうだっ…!!!」と形振り構わず叫ぶ必死な彼。振り向くと、その手には僕の大好物である極・バニラシェイク。これは購買で1週間に1個限定のスーパーレアな代物。えっ、この超入手困難であるプレミアムバニラシェイクを僕に譲ってくれるなんて、貴方は神様ですか?そうなんですね?ありがたや、ありがたや。こういう場合遠慮も必要だけれど、差し出されているのは喉から手が出る程欲しいバニラシェイク。黒子テツヤの原動力となる甘いガソリン。遠慮してる場合じゃありませんよ、そうでしょう?僕は彼に向き直って命のシェイクを両手でしっかりと受け取り「嬉しいです…ありがとうございます!!」と最大級の喜びも相まって二パッと満面の笑みでお礼を伝える。そうすると忽ち彼は「っ!!…お、っふ……きゃわわ、…はっ!?…いや、…お、オマエなんか…テツヤなんか…全然可愛くなんか…っ…ないわけないんだからな…!!」とまたもやおかしな事を口走りながら、急性のりんご病を発症させていた。一体どうしたのだろう。完熟りんごよりも真っ赤っかな頬を露わにする彼をジッ…と見つめていると「ぬぁっ、…や、やめろ…キュートな瞳で僕の心を貫くな…うぐっ、…ひっ、…ひっ…ふー……ひっ、ひっ、ふ〜〜……げ……限界……だ……呼吸が…、」とラマーズ法混じりの掠れた声で何かを呟いた後、バッと一目散にどこかへ走り去っていってしまいました。激しくおかしい彼の行動の意味は一体……きっと、どんなに考えても、分からないだろうから、ほぼ考えないけれど。本当に、不思議な人だなぁ……赤司くんは。まぁ、そんな事はさておき……とりあえず、このバニラシェイクを堪能しましょう…!!いやっほう!!!








バタバタバタバタ……!!!荒々しく廊下を走り抜けた赤い少年は行き止まりの壁をドンっ!!と、殴って息も絶え絶えに叫んだ


「…ハァ……ハァ………クソッ…テツヤ、か、可愛い過ぎて…心臓、死ぬっ…!!!」


バニラシェイク大天使のスーパーレアな眩しい笑顔と吸い込まれそうな凝視攻撃は王様の心臓へ大ダメージだったらしい

激ニブ淡白無関心な空色少年に恋をしてしまった格好つけヘタレ空回りな赤色少年

バットを全力でブンブン振るも、結局空回り三振に倒れる彼が、恋の特大ホームランを打てる日はやって来るのか?!(たぶん、無理かも)

片恋い頑張れ!赤司くんっ!!











・メランコリー Lv.2













「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -